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『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』ヤングケアラーとしての日々の終わり「NYフェスティバル2022受賞記念 ボクと父ちゃんの記憶 ~別れのあと 家族の再会~」

2022/05/16 18:18
石徹白未亜(ライター)

 今回の放送を見て、「自分の認知が危うくなったら、どうしてほしいのか」という意思を事前に伝えておくことの大切さについて考えた。「自分が死んだらどうしてほしいのか」よりも重要な意思表示だと思う。

 認知症はある日突然そうなるのではなく、徐々に進行していく病なのだから、症状が悪化したとき周囲にどうしてほしいか、佳秀が事前に意思表示しておく、あるいは家族が本人の意思を確認しておけばよかったのではないだろうか(残していたのかもしれないが、番組内では触れられていなかった)。

 自分の子どもたちの10代が、ヤングケアラーとして費やされる可能性について、病状が悪化する前の佳秀はどこまで自覚的だったのだろう。そして、このことについて夫婦でどこまで話し合えていたのだろうか。少なくとも子どもが負う責任ではないと思う。

 そしてこれは佳秀に限らず、私も含め多くの人に関わる話だ。「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計のよると、20年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人いるという。

 その中で、「認知がさらに悪化したときに自分はどうありたいか」という“意志”を周囲に伝えている、伝えていた人はどのくらいいるのだろう。

 次週は『夜の街で輝きたくて… ~闘う女たちの見る夢~』。西船橋のキャバクラで働く29歳の輝(きら)は18歳からキャバクラ一筋。コロナ禍、若いキャバ嬢が台頭する中、輝はあるコンテストへの出場を決意する。

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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Twitter:@zPvDKtu9XhnyIvl

いとしろ堂

最終更新:2022/05/17 08:40
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