コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき131

暴力団のヒットマン候補たちが偽装脱退? 元極妻が語る「ヤクザ減少の理由」

2022/05/08 16:00
待田芳子(作家)

 あとは経済の動きも関係あると思います。06年には、ホリエモンこと堀江貴文さんと村上ファンドの村上世彰さんが逮捕されていて、上半期は市場が混乱しています。

 さらに08年9月のリーマンショックですね。11年の暴排条例全都道府県施行まではヤクザも証券会社の口座を持てましたし、それ以上に、タニマチ的な富裕層がいたんです。

 ヤクザ映画ではなくリアルヤクザが好きな人は、昔は珍しくなくて、結構なお金持ちもいました。そもそも「実話時代」(三和出版)や「実話時報」(竹書房)などのヤクザ雑誌の購買層も、半分くらいはカタギさんです。あとは警察関係者も多いと聞いています。

 タニマチ衆の懐が寂しくなったところで11年の東日本大震災と暴排条例施行ですから、もともとの30年不況に加えてカタギの経済が回らず、ヤクザの経済も厳しくなっていきます。

 そして暴排条例施行後は、「食えないから」やめる例が増えていきますが、やめたところで「晴れてカタギ」になんかなれませんよ。「元暴力団の肩書、一生外れんけんね」とか、刑事さんにも言われるんですから。

 やめた組員さんたちが事件を起こさずに暮らせるかどうかは、本人の意思だけでなく社会の更生支援が不可欠ですが、ハードルは高いですね。私も考えていきたいと思っています。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2022/05/08 16:19
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