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ラブコメの女王ことメグ・ライアン、『愛と青春の旅だち』デブラ・ウィンガーほか……ハリウッドを去ったセレブの告白

2022/05/02 20:43
堀川樹里(ライター)

 今年3月、サンドラ・ブロック(57)が「引退するつもりはないけれど、今はカメラではなく(11歳と8歳の)子どもたちを見ていたい」と女優業からしばらく離れることを発表した。

 4月には、ジム・キャリー(60)が「もうおなかいっぱい。十分やったし、もう(自分は頑張らなくてもこのままで)いいんです」と発言。よほど運命を感じる脚本に出会わない限りは俳優としての仕事はしない、と事実上の引退を発表した。

 2人は納得してハリウッドから離れた形だが、業界にはびこる女性蔑視、セクハラ、男女不平等に嫌気が差して去っていった女優は実に多い。人気女優でも40歳を超えると出演オファーがガクンと減るのは有名な話で、ハリウッドから突き放される形でスクリーンから離れていった女優も少なくないのだ。

 今回はそんな業界の体質に幻滅したり、納得できないままハリウッドを離れていった4人の女優たちを紹介しよう。

デブラ・ウィンガー(66)、「1時間半前から鏡の前でメイクするのは不自然」

2018年、ニューヨークにて(C)gettyimages

 『愛と青春の旅だち』(1982)『愛と追憶の日々』(83)『永遠の愛に生きて』(93)で3度もアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた演技派女優のデブラ。

 セックスシーンは演じないというモットーだったが、リチャード・ギア主演の『愛と青春の旅だち』に出演する際、セックスシーンに関する取り決めが記載されていない契約書にサインしたため演じなければならなくなったり、撮影期間中に「顔がパンパンだから」という理由でダイエットピルを飲むよう手渡されることがあったそうで、次第にハリウッドの”システム”に強い嫌悪感を抱くようになっていったという。

 熱血女優でもあった彼女は、監督や脚本家に対して自分の意見を主張し台本を書き換えさせたり、共演者と衝突することが多く「扱いにくい女優」だと問題児扱いされていた。このことについてデブラは、「もし私が男性だったら、自分の意見を発言する素晴らしい人、完璧主義者と褒められたはず」と憤りをあらわにしている。

 40歳だった95年、マーロン・ブランドやジョニー・デップと撮影していた映画『Divine Rapture』が、制作途中財政難に見舞われ中断。ギャラも未払いとなり、これを機に引退を決意した。

 引退から7年後、デブラは英紙「ガーディアン」のインタビューに応じ、「この上ない解放感だわ」「もうオーディションを受けたり、電話が鳴るのを待たなくていい、他人の批評に頼らなくてもいい。好きなことをしていい。好きなところに行き、好きなことを言える」「私は幸せになるためにたくさんのお金が必要だとは思わないし」と心情を吐露。

 「40歳になるとハリウッドで仕事をすることは難しくなる」「女優は撮影時間の1時間半前から鏡の前に座りメイクとヘアセットをしなければならない。本当に不自然なことだと思う」と、女優の外見を重視する業界の体質を批判した。

 その一方で、「ハリウッドの同世代や少し上の世代の女性たちを見ていると、問題を作っているのはあなたたちじゃない、と感じることが多い」「自分の年齢を受け入れられず、若く見えるように顔や体に手を加える。そして、実年齢より若い役を演じることにプレッシャーを感じてる」「手術で10歳若返ろうとすることに価値は感じられない。大きな代償を払うことになるから」とも発言。ハリウッドを変えるには女優の意識改革も必要なのだと声を上げた。

 「自分のタイミングで自分らしい方法でカムバックするかも」と語っていたデブラは、2001年、再婚相手のアーリス・ハワードが監督した『Big Bad Love』で女優業にカムバック。ここ数年はテレビドラマで活躍している。

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