カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2022年5月号

こんまり、「婦人公論」対談で覗かせた”金になる仕事”へのするどい嗅覚

2022/05/03 21:00
島本有紀子(ライター)
「婦人公論」2022年月5月号(中央公論新社)

 「婦人公論」(中央公論新社)の5月号が発売中です。今月の特集は「可能性は無限大! やりたいことは何歳からでも」。同誌で好評らしい“働く高齢者シリーズ”が今月も活発で、100歳になったら政治記者になりたいと語る黒柳徹子、人気の笹餅屋を営む95歳女性、現役ホームヘルパーの87歳女性などが笑顔で誌面を飾っています。

 中学生のころ、女子高生向けファッション誌「Seventeen」(集英社)を眺めて、「こんなキラキラした女子高生になれるのかしら」と胸ときめかせたものですが、「婦人公論」を読んでいると再びあの頃の気持ちを思い出せます。「もっと高齢になったら今より元気になれるのか……?」と。

 憧れたような女子高生は雑誌の中にしかいなかったと知っている今でも、キラキラした高齢者にはなれそうな気がしないでもない……気がしてくる今月号の中身、さっそく見ていきましょう。

<トピックス>
◎現役ホームヘルパー87歳。誰かを支える喜びを胸に
◎お得がいっぱい! 意外な「シニア枠」
◎川村元気×近藤麻理恵 片づけで手に入れる幸福という物語

87歳の現役ホームヘルパー

 最初に見ていくのは“働く高齢者シリーズ”より、87歳の現役ホームヘルパー・千福幸子さんへのインタビュー記事。76歳で介護福祉士に合格した千福さんは、80歳でケアマネジャーの資格も取得。87歳の現在もホームヘルパーとして活躍中で、「100歳まで働きます」と宣言しています。

 その気力・体力に頭が下がるとともに、高齢者も“介護される高齢者”と“介護する高齢者”に分かれていくのだなぁ……と実感。果たして自分はどちらになるのか、と思いを馳せながら読んでみてはいかがでしょうか。

eスポーツ施設で「ぷよぷよ」に興じるシニア

 次に見ていくのは、ルポ「お得がいっぱい! 意外な『シニア枠』」。高齢者が利用できる割引サービスがたくさん紹介されています。銭湯、新幹線、航空券、カラオケ、映画、カルチャーセンター、美術館・博物館などなど、シニア枠で安くなるサービスは多岐に渡っているとのこと。eスポーツ施設のシニア割で、お得に「ぷよぷよ」に興じるシニアなどが紹介されています。

 中でも特に憧れを集めそうなのは、「シニア枠モデル」。紹介されているのは、長らく主婦だったという67歳女性。彼女は「伊勢丹でショッピング」していたときにヘアモデルとしてスカウトされたそうで、以降、グレイへアの読者モデルとして活躍。

 ムック本の表紙を飾ったり、大手企業のCMに出演したりと、仕事の幅を広げているとのこと。「お得なシニア割」と「シニア読モ枠」を並べて紹介するのは企画の芯がブレている感もありますが、高齢化が進む今後、シニア読モ枠の争奪戦も激化しそうだと感じました。

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