芸能
90~2020年のジャニドラ系譜

ジャニーズドラマにおける、堂本剛『金田一少年の事件簿』という記念碑――なにわ男子・大西流星『夢中さ、きみに。』に見る新時代

2022/05/01 13:00
成馬零一

 90年代は、木村拓哉を筆頭とするSMAPのメンバーが、月9(フジテレビ系月曜9時枠)の恋愛ドラマや金曜ドラマ(TBS系金曜夜10時枠)の硬派な作品で主演を務めることで、当時はまだ俳優としての評価が低かったジャニーズアイドルの活躍の場を広げ、国民的スターへと上り詰めていく時期だった。

 一方、SMAPが切り開いた「歌もバラエティも俳優も司会も全部やる」という全方位型アイドルとしてキャリアをスタートしたTOKIO、KinKi Kids、V6といったジャニーズアイドルの主演作を引き受けていたのが、日本テレビの土9で撮られた堤幸彦のドラマだった。

『池袋ウエストゲートパーク』で始まったジャニーズのドラマ本格進出

 彼らが出演するアイドルドラマは、当時のドラマシーンにおいては異端の存在だったが、00年代に入ると、大人向けドラマ枠にも影響が広がり、新しい時代のスタンダードへと変わっていく。

 大きな転機となったのが2000年に堤がチーフ演出を務めた長瀬智也主演の青春ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系、以下『池袋』)だろう。本作の脚本家に抜てきされた宮藤官九郎の登場によって、ジャニーズアイドルのドラマ進出は本格的なものへと変わっていき、V6・岡田准一が主演し、嵐・櫻井翔が共演した『木更津キャッツアイ』(同)や嵐・二宮和也が主演で錦戸亮が重要な役どころを演じた『流星の絆』(同)といった数々の名作を生み出すことになる。

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