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嵐・二宮和也の「演技力」を現役演技講師が解説! 『マイファミリー』は良い意味での“典型的な映像芝居”!?
2022/04/30 16:00
それに比べ、この回のラストで女性警察官を追い出すシーンから、親友の東堂樹生(濱田岳)らと4人で握手するところまで芝居は、目線も真っ直ぐで瞬きも少なく、挙動も一つひとつが最短で動いています。自分には信頼できる仲間がいること、そして夫婦の絆を確信したことをよく表していると思います。
二宮さんは今あげたような表現を、その変化に気がつかないほどの自然な流れで芝居の中に入れています。「芝居をしよう!」「演じよう!」といった欲が感じられない、良い意味で常に肩の力が抜けている、典型的な“映像芝居”といえると思います。
そんな繊細な表情の変化に比べると、首から下のいわゆる“体での表現”はあまり見られなかったので、二宮さんは映像作品の俳優志向が強いのではないでしょうか。考えてみると、二宮さんはジャニーズの歌って踊れるアイドルではあるものの、ミュージカルの舞台などに出演しているイメージはありません。
嵐としての活動が休止となり、アイドルのイメージが徐々に薄れることで、より“俳優”となった二宮さん。今回の父親役はまったく違和感なく板に着いていました。
そんな二宮さんは今後、さらに安定感のある実力派俳優さんになられていくのではないでしょうか。これからも善人から悪役まで、さまざまな役を演じてほしいです。
秋草瑠衣子(あきくさ・るいこ)
元宝塚歌劇団男役。フリーの演出家・俳優。2017年文化庁新進芸術家海外研修制度に選出され、パリにて演劇教育についての研修に励む。エイベックス・アーティストアカデミーシアター総合コースディレクター。
公式サイトhttps://www.ruikoakikusa.com/
最終更新:2022/04/30 16:00