サイゾーウーマン芸能韓流Netflixドラマ『未成年裁判』は“ほぼ実話”? 芸能 [連載]崔盛旭の『映画で学ぶ、韓国近現代史』 Netflix『未成年裁判』は“ほぼ実話”? モチーフになった事件と、ドラマで描かれなかった「犯行動機」のうわさ 2022/04/22 19:00 崔盛旭(チェ・ソンウク) 崔盛旭の『映画で学ぶ、韓国近現代史』 Netflix『未成年犯罪』1〜2話のモチーフになった「仁川女児殺人事件」のてん末 では、今作のモチーフになった「仁川女児殺人事件」とはどのようなものだったのだろうか。2017年、高校を中退したキム(当時満16歳)は公園で被害者の女児(当時8歳)から「スマートフォンを貸してくれないか」と声をかけられた。キムは「充電が必要だから」と言い、被害者を自宅マンションに連れていき、充電器のケーブルで首を絞め、殺害した。 その後、被害者の遺体を切断し、一部はゴミ捨て場に、一部はマンション屋上の貯水槽に遺棄し、一部はキムが所持して出歩くなど、大胆な行動を見せる。夜遅くになっても帰宅しない被害者を心配して両親が警察に通報、警察は近所やエレベーターの監視カメラの映像からキムを容疑者として特定、逮捕した。 そして、取り調べの過程で共犯のパク(当時満18歳)が浮上。犯行やアリバイ作りに関してキムと交わしたSNS上のチャットの記録が決め手となり、逮捕に至った。キムは精神疾患による偶発的な犯行だったと主張したが、2人が緻密な計画を立てて殺害していたことが明らかになり、判決では主犯のキムに「犯罪少年」の最高刑である懲役20年が、共犯のパクには懲役13年が言い渡された。 だが、犯行の残虐性に対して2人には犯行動機がまったく見当たらず、まるで「遊び」かのように微塵の躊躇もなく殺人を犯していた。結局、判決にいたるまで、いかなる罪意識も持っていない態度を貫いたことから、国民は憤り、ドラマにも描かれているように「少年法廃止」や「厳罰化」の国民請願にまで及んだのである。 その憤りには愛娘を奪われた上に、遺体を見ることさえ許されないという耐え難い苦痛を味わった遺族らへの思いが込められていることは言うまでもない。 次のページ Netflix『未成年裁判』で注目すべきポイントは? 前のページ12345次のページ 楽天 Yahoo セブンネット ケーキの切れない非行少年たち 関連記事 映画『野球少女』で描かれた、韓国初の女性野球選手はいま――物語とは決定的に異なる「悲しい」結末韓国映画『バッカス・レディ』4つのセリフが示す、韓国現代史の負の側面を背負う高齢売春婦の悲しすぎる人生人気の韓国映画『7番房の奇跡』、時代設定が「1997年」だった知られざる理由『エクストリーム・ジョブ』を韓国コメディ映画部門の歴代1位に押し上げた、韓国の国民食“チキン”韓国人との「区別」、詐欺・セクハラ被害……映画『ファイター、北からの挑戦者』に映る “脱北者”の現実