コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第597回】

園子温、木下ほうか、榊英雄……性加害者への告発が次の告発を呼ぶ“勇気の連鎖”

2022/04/12 21:00
神林広恵(ライター)

 レイプされた女性が警察に相談したり刑事告訴したりするのは、まだまだハードルが高い。そこで思い出したくない被害の詳細を聞かれ、さらに裁判になれば長い時間もかかり、また同様に被害の詳細を証言しなくてはならないなどの理由からだ。

 周囲にバレることを恐れるケースもあるだろう。それでもSさんは弁護士相談して告訴状を警察に提出しようとした。しかし、ここでも大きな壁が立ちはだかったという。

「“身体に傷がない”“犯行現場の正確な情報がない”といった理由から、証拠不十分で告訴状は受理されず、捜査してもらうことすら叶いませんでした」

 自分の立場を利用して被害者を欺く、そして薬物疑惑、刑事告訴の困難さ(男性社会の警察)など、被害者が直面する問題は非情なものばかりだということが、Sさんの告発から浮かび上がってくる。

 さらにSさんは、自身に起こったことを7年の年月を経て語ったことについても、こう話している。

「今回の報道で同じ被害にあった方々の勇気ある告白を目にして、私も真実を明かすことにしました」
「当時と違うのは、この事実を記事として掲載できること。泣き寝入りの日々だったので……」

 先週も記したが、勇気ある告発が、次の告発を呼ぶ。性暴力にあった人々が泣き寝入りせず勇気をもって次々と声をあげる。勇気の連鎖であり、マスコミもそれを大きく取り上げる。Sさんの言葉、そして告発はそれを証明している。

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