コラム
「PTAには入りません」って言えない!?
「PTAに積極的な保護者」がいる理由、ベルマーク作業が人気の背景――PTA委員を1年やって見えたもの
2022/04/16 17:00
PTAに疑問を抱いたり、実際に困っているという人におすすめしたい本がある。8年にわたりPTAを取材してきた大塚玲子氏による『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版、2021年11月刊行)だ。
本書では、PTAが忌み嫌われる最大要因ともいえる役員・委員決めや非会員家庭の子ども差別など、PTAの問題点を指摘。本来、入退会は自由で「任意加入」であるはずのPTAの仕組みを説明し、自動加入や会費引き落とし、個人情報の取り扱いなども拾い上げ、日本中に散らばっているであろう、PTAの「理不尽」をわかりやすくあぶり出している。
さらには、PTAを「改革」する時の実践方法やポイント、実際に会長や役員になって会則変更などの改革を成功させたケースも紹介されている。
しかし何よりも画期的なのは、会長でも役員でも委員でもない一般会員、あるいはPTA非加入家庭が、PTAに自分の疑問や意見を伝える方法をレクチャーしている点だ。会長や何らかの役職に就き、率先してに導こうという熱意がなくとも、疑問や意見は表明してもいい。
そして、「退会したってかまわない」「退会は、いつでも可能」ともハッキリ書かれ、退会する時の手順も指南されている。
この春、我が子の通う学校のPTAに不安があったり、早くも「理不尽さ」を感じている人にとっては、実用的で、お守りになるような1冊だ。
最終更新:2022/04/16 17:00