コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

秋篠宮家、悠仁さまの進学はどうなる? 天皇をめぐる歴代の教育問題、授業についていけず1年で中退のケースも

2022/04/23 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――明治天皇、大正天皇に続いて、わりとあっさりした関係ですね。しかし、どうして中等科には進まれなかったのですか? 

堀江 学習院に漫然と通うだけでは将来の天皇の教育としては不十分。将来の天皇のための特別教育プログラムを組む必要があると周囲が考えたのでしょう。

 ご学問所での授業は当時、学習院長だった乃木希典の発案でした。大正天皇には体系だって伝えられることがなかった軍事の知識のほか「倫理、国文、漢文、歴史、地理、地文、数学、理化学、博物、フランス語、習字、美術史、法制経済(大竹秀一『天皇の学校』筑摩書房)」という、多岐にわたった、意欲的なカリキュラムが組まれていました。しかし、これをこなすのはかなり大変だったとは思います。

――大正天皇の教育からさらに輪をかけてハードになっていませんか? 前々から構想されていたのかも。

堀江 そうなんですよね。ほかにも体操、馬術などの実技もありましたし、杉浦重剛という教育者から君主の心構えも「倫理」という授業の中で叩き込まれました。

――そんなスパルタ教育を7年間にもわたって、昭和天皇は耐え抜いたのですね!

堀江 そうなんです。次回に続きます。

参考:保阪正康 「天皇家の教育」全内容 (『新潮45』2002年1月号)

堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『眠れなくなるほど怖い世界史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。

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最終更新:2022/04/23 17:00
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