コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第592回】

SMAPの反戦歌「Triangle」16年ぶりヒットに考える、芸能人の“政治的発言”

2022/03/08 21:00
神林広恵(ライター)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

「女性自身」3月22日号(光文社)

 ウクライナで民間人を避難させる「人道回廊」に地雷が埋設されていたと赤十字国際委員会から発表があった。そのため民間人が戦闘地域から避難できなかったと。これが本当なら大変なことだ。しかもこの回廊、行き先がロシアになっているというから驚きだ。世界中がロシアの侵略戦争に憤っている。

第592回(3/3〜3/8発売号より)
1位「稲垣吾郎がラジオで流し大反響! SMAP17年越し反戦の願い」(「女性自身」3月22日号)
2位「黒柳徹子 30年ぶり『仰天引っ越し先?に最後を託す男」(「女性セブン」3月17日号)
3位「東出昌大 映画監督転身の仰天野望」(「女性自身」3月22日号)

 連日、日本メディアもこぞって報道しているロシアによるウクライナ侵攻。これに関し、日本のある楽曲に大きな注目が集まっている。それが2005年にリリースされたSMAPの「Triangle」だ。確かにその歌詞は“反戦ソング”と言っていい。

 そんなTriangle現象について「女性自身」(光文社)が特集を組んでいる。2月28日に稲垣吾郎が、パーソナリティをつとめるラジオ番組『THE TRAD』(TOKYO FM)で「平和への願いを込めてこの曲をお届けします」とオンエアしたことがきっかけで、同日の音楽配信サイトでデイリーシングル2位にランクインしたという(その後3月1日付の「オリコン」で3位にもランクイン)。16年前の曲の異例のリバイバルヒットだ。

 そして、この話題をきっかけに「自身」ではSMAPたちのこれまでの「Triangle」を通じての“反戦”の思い、そして戦争、平和といった政治的メッセージについても紹介していく。たとえば、中居正広は09年のドキュメンタリー番組で「戦争に対しての意識がどんどん薄れている気がします」と語ったり、香取慎吾は反戦をテーマに作られたブランドの服を着たり、戦争について知ってもらいたいと語るなど、メンバーそれぞれが反戦に対し強い思いを持っていることを改めて浮き彫りにしていく。

 さらに木村拓哉も3月6日のライブツアー千秋楽でピースサインを掲げた上、「Triangle」を熱唱したこともネットなどで話題になっていた。解散したとはいえ、大きな影響力のある元メンバーたちが、それぞれが呼応するように反戦を訴え、自身たちの反戦ソングを改めて歌う。そして、そのことが社会に賛同され、大きなムーブメントとなり、曲にも注目が集まる。

 素晴らしいことだと思う。これこそがアーティストの、そして影響力のある芸能人の素晴らしさであり、役割のひとつだと思う。賛美されて当然だし、SMAPや曲に注目が集まるのも素敵なことだ。

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