『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』修業の終了間近に退職したきっかけ「ボクらの丁稚物語2022 ~涙の迷い道と別れ道~ 後編」

2022/03/07 17:56
石徹白未亜(ライター)

『ザ・ノンフィクション』親孝行したいという理由

 親孝行がしたいと話す子どもは、親の苦労を知っているのだろうし、それを意識せずに育つことができた子どもよりも「苦労を知る子ども」だと思う。つらいこともあったろうに、グレないどころか「親孝行がしたい」と話す姿は立派だが、私は違和感というか、何か子どもが無理を抱えているように思える。

 ひとり親など、親が忙しい中で子育てせざるを得なかったとしたら、それは親自身と社会の問題であり、子どもに責任は全くない。今の時代の親は、ほぼすべての親が、親自身の意志で子どもを持ったのだから、恩返しなど考えなくてもいいと思うのだ。

 単純に「親孝行と言うと、年上受けがいいから」という計算や、「家庭と学校しか社会を知らないので、親孝行くらいしか言えない」といった理由のほうが、私には健全に思えてホッとする。

 次週の『ザ・ノンフィクション』は「生きることって… ~山とマタギと私たち~」。秋田県の山村でマタギを営む74歳の鈴木英雄。マタギは自分の代で終わりだと思っていた鈴木のもとに、マタギ希望の若者たちがやってきて……。

石徹白未亜(ライター)

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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いとしろ堂

最終更新:2022/03/07 17:56
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ブラック校則どころじゃなかった