コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
中学受験、塾選びに失敗して転塾を重ねた親子「ふたを開けたらバイトの子が先生」
2022/02/27 16:00
ところが、秀美さんはその個別塾でも悩みを抱えてしまう。
「斗真には大勢の中での一斉授業よりも、マンツーマンで教えてもらうほうが理解が進むのではないか? と思ったんですね。それで、中学受験に対応している個別塾にお任せしようと思ったんですが、実際に教えてくれたのは学生アルバイト。教室長か社員講師が教えるという約束だったんですが、ふたを開けてみたらバイトの子が先生だったんです」
アルバイト学生だから、教える実力がないという意味ではなく、秀美さんが困ってしまったのは、講師がコロコロ変わることだった。
「その日に『本日は担当講師が急用でお休みですので、別の講師になります』と言われることも多かったです。斗真は人見知りというのか、初対面の人ともすぐに打ち解けるタイプではなく、人間関係もじっくりと付き合ってから徐々に、というタイプなので、講師の先生が頻繁に変わるのは避けたいところだったんです。やっぱり、個別塾の売りは、一人ひとりに合わせた講義をすることなので、その子の進度を熟知するためには同じ先生がいいと思うんですけど、そこは違ったんですよね……」
もちろん、秀美さんは個別塾に、この要望を伝えたのだが「各講師で情報共有はされているので問題なし」と一蹴されてしまったという。