有働由美子アナ、平野歩夢選手へのセクハラ発言に思う「自虐キャラ」から「老害キャラ」にならないための方法
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今週の有名人>
「いち日本に住むオバチャンの、ホルモン……って言うといやらしいですけど」有働由美子
『うどうのらじお』(2月11日、ニッポン放送)
先日、デパートの商品券売り場に行った時のこと。そこには1人のおばあさんがいて、理由はわからないものの激高しており、女性店員に「あなたじゃ話にならないから、男の人を出してよ!」と言っていた。売り場の店員は全員女性で、裏から出てきた先輩と思われるスタッフも女性だったため、おばあさんの怒りは治らず「男を出せ!」と繰り返した――。
文脈から考えると、おばあさんの言う“男の人”とは、性別ではなく責任者などの“エラい人”を指していると思われる。権限のある人が男性とは限らないわけだが、特にお年寄り世代では、女性の社会進出がなされたなかったことから「偉い人は男性」と刷り込まれている可能性は否定できない。知り合いの40代女性医師は若手の頃、たくさんの患者に「女医が担当だなんて、ハズレだ」と、オンナというだけで罵倒された経験があると言っていた。
責任ある地位につくのは男性、男性は優秀というふうに、「女性は男性に劣る」と決めつけることは、男尊女卑にあたる。また、女性の結婚や妊娠・出産などを理由に「劣る」とするならば、セクハラにもなるだろう。このあたりの発言に気をつけないといけないのは、やはり中高年ではないか。それはテレビによく出ている人も、例外ではないように思う。
北京オリンピック真っ只中、2月11日放送のラジオ番組『うどうのらじお』(ニッポン放送)では、有働由美子アナウンサーが、スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢選手について話していた。「淡々として表情も変わらずに、1回目、2回目、3回目と、どんどんどんどん上げてくる感じを見て、『なんか本当に好きになりそう、この人』と思って」と、平野選手のファンになったことを明かした。
日ごろ見ることのない競技をオリンピックで見て、その競技に興味を持ったり、特定の選手のファンになるというのは、よくあることだろう。しかし、この発言の前後がちょっといただけないのだ。
有働アナは「久しぶりに女心がキュンキュンとしましたね。残り少ないホルモンが出てきたみたいな気持ちになりましたけども」「素晴らしい演技、素晴らしい滑り以上に、いち日本に住むオバチャンの、ホルモン……って言うといやらしいですけど、気持ちまで若返らせていただきました」と結んでいた。