仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

アンジャッシュ・渡部建、復帰前の今必要なことは何か? 「ゼロから頑張る」宣言の前に必要なもの

2022/02/11 10:00
仁科友里(ライター)

アンジャッシュ・渡部建、一般人はぞんざいに扱う「モラハラ気質」

 それでは、渡部は常にこすっからいオトコかというと、そうでもなさそうだ。渡部の妻は女優の佐々木希だが、佐々木は渡部の復帰発表後、自身の公式インスタグラムに「これからはゼロから頑張る主人の姿を見守ることに決め、今まで以上に感謝の気持ちを持ち、家族と共に前に進んでいこうと思っています」と投稿。離婚することなく、渡部と共にいる決意を明らかにしている。離婚しない理由は他人が知る由もないが、少なくとも渡部は、佐々木にとって失いたくない存在なのだろう。

 女優である妻・佐々木のことは大切に扱っているように見えるが、名もなき一般人の扱いは明らかにぞんざいだ。私はそんな渡部に、モラハラ気質を感じている。
 
 本来、対等な存在のはずなのに、社会的地位や収入の高いほうが低いほうをバカにしたり、精神的に追い詰めることを「モラルハラスメント(モラハラ)」と呼ぶ。モラハラを起こす人の特徴の一つとして、多くの精神科医が「社会的地位にこだわる人」を挙げている。モラハラをする人は、素の自分に自信がないために、社会的地位など目に見えるものしか信じられない。その結果、自分より上の立場の人に出会った場合は「負けた」と思って卑屈なまでにへつらうが、下の立場だと思うと威張り散らし、これがモラハラにつながっていくそうだ。

 多目的トイレという非衛生的な場所での不倫には、「一般人ならここでいい」といったモラハラ的な価値観がにじみ出ていると思わざるを得ない。こうなると、特に女性視聴者からの支持を取り戻すのはかなり難しいだろう。

 渡部は所属事務所の公式ホームページで「ゼロからまた頑張りたい」と書いていたが、実際の渡部の好感度はマイナスの域に達しており、ゼロ地点にたどり着くことすら大変なことだと私は思う。それを渡部本人、そして「渡部をいじろう」と思っている周辺の芸人たちは、わかっているのだろうか。


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