アンジャッシュ・渡部建、復帰前の今必要なことは何か? 「ゼロから頑張る」宣言の前に必要なもの
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今週の有名人>
「ゼロからまた頑張りたい」アンジャッシュ・渡部建
人力舎公式サイト、2月5日
アンジャッシュ・渡部建が所属事務所の公式サイトで、活動再開を発表した。2020年6月11日発売の「週刊文春」(文藝春秋)にて、六本木ヒルズ内の多目的トイレで一般女性と不倫に及んでいたことを報じられる数日前から、芸能活動を自粛していた渡部。復帰始めの仕事は千葉テレビの冠番組『白黒アンジャッシュ』で、相方である児嶋一哉は、自身のYouTubeチャンネルで「いろんなご意見があると思いますけれど、暖かく見守っていただければ」と視聴者に訴えていた。
不倫は決して褒められたことではないが、警察のお世話になったわけでもないのに、いつまでも復帰できないのはおかしいと思う。しかし、復帰することと、芸能人として世間から支持を集められるかは全くの別問題で、渡部がイメージを回復させるのは相当難しいのではないだろうか。
渡部復帰にあたり、2月6日放送の『ABEMA的ニュースショー』(ABEMA)に出演した千原兄弟・千原ジュニアは、「視聴者の方は『私は見ない』という方もたくさんおられるでしょうけど、我々芸人はいじってご覧になっている方に笑っていただけるようにするしかなくない?」とし、「『おいスケベ』『いや渡部だよ』みたいに」と渡部の復帰を促す意味で、積極的にいじっていく姿勢を明らかにした。しかし、同番組出演者のFUJIWARA・藤本敏史はジュニアとは違う意見で、「いじって笑いにするの難しいんじゃないか」と述べていた。私も藤本と同じ意見だ。
21年6月6日放送の『週刊さんまとマツコ』(TBS系)で、明石家さんまが「女芸人から見た目をいじってほしいと言われることはあるけれど、いじったほうが損するやろっていう話」と言っていたことがあるが、渡部の問題も同じ話ではないだろうか。既婚者でありながら、多目的トイレで一般女性と不倫したことを芸人がいじると、いじった芸人がそれらを「笑える出来事」だと解釈しているように思われて、自分の好感度が下がりかねない。
そんな危ない橋を渡りたくない芸人は多いだろうし、「おいスケベ」「いや渡部だよ」で笑える視聴者がいるのかどうかも疑問だ。そこまでして、渡部を積極的に「助けたい」と思う共演者はどれほどいるのだろうか。
そもそも、渡部はどうして世間サマに怒られたのか? ジュニアのように「渡部をいじろう」と考えている芸人がいるとすれば、本当の理由をわかっているのだろうか? 私は、今回の騒動で渡部の「セコさ」と「モラハラ気質」が明らかになり、それが世間の拒否感につながっていると思う。