コラム
知られざる女子刑務所ライフ135

「覚醒剤の隠し場所」は缶コーヒーから生理用品まで!? 元ポン中が教える意外なトコロ

2022/01/23 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)
写真ACより

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

刑務所でも感染拡大

 コロナ感染、広まってますね。やっと普通に戻れるかと思ったのに……。「まん防」でどこまで防げるか謎ですが、ホンマ早く収まってほしいですね。

 ムショもぼちぼち感染が広まっているようです。大分刑務所のクラスター化佐賀少年刑務所などはニュースになっていますが、ほかにもあるかもしれません。

 ムショは「密」を絵に描いたような場所ですから、一人でも感染したらアウトです。これからも増えますよ。影響を受けてない業種はないと思いますが、瑠美も含めて飲食店は大打撃です。皆様もご自愛くださいね。

「わりとわかりやすいところ」に隠しがち?

「瑠美さん、缶コーヒーに覚醒剤を隠したことあります?」

 またまた編集者さんからむちゃ振りされました。缶コーヒーに覚醒剤を隠していたちゅう事件があったんですね。ニュースによると、「フタは未開封だが底が開くよう細工された缶コーヒー」に「筒状のプラスチック製ボトルを仕込み、中に覚醒剤を隠して周りを石こうで固定していた」そうです。なんか工作が好きな人なんですかね。普通はこんな手の込んだことはしなくて、わりと見つかりやすいところに隠しがちです。

 「自分が使う用」は少量やからわりと簡単で、ボールペンの芯を抜いて軸に仕込むとかもやってましたが、身の回りにないとすぐ使えなくて意味ないので、お菓子の缶とかに入れてましたね。この「缶コーヒー」はいくつも作ってたんでしょうか。

 問題は、バイ(密売)用ですね。100グラム単位とか大量で、懲役も長くなりますから、みんな必死です。前にも書きましたが、瑠美は車体の下につけられる強力マグネット付きのケースを愛用していました。

 ムショで聞いた話では、小分けにしてカーペットの裏に貼るとか、警察にバレバレなことをやってる人も結構いてました。大きな怪獣の貯金箱に入れていた人は、「刑事さんが貯金箱を振ったらめっちゃ重くて、小銭の音がして、気づかれなくて助かった」そうです。小銭の下には100グラム以上入ってたそうで、もし見つかってたら、刑期めっちゃ延びますからね。よかったです。よくないか(笑)。

 似た感じでは、「米びつの底」ですね。掘っても掘ってもお米やけど、実はその下には……ちゅうことです。意外にバレないそうです。お風呂の天井裏もありがちなんですが、湿気が心配ですね。

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