コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第584回】

神田沙也加さんの急死をめぐる、女性週刊誌3誌3様の報じ方――母・聖子、男性関係、芸能人の自殺報道

2022/01/11 21:00
神林広恵(ライター)

 最後に「週刊女性」だが、特集2本立てだ。まず1本目は沙也加のこれまでの男性関係にスポットが当てられる。母親の聖子同様、恋多き女性だった沙也加。記事ではそんな沙也加の過去の恋人が羅列され、結婚願望が強かった沙也加だが、それが叶わなかったことも死の一因と仄めかした。

 そして最もクローズアップしたのが、昨年夏まで付き合っていた元ジャニーズJr.の秋山大河。「週女」は秋山を直撃する。結果、秋山の自宅マンションのインターホンを鳴らしたが、応答はなかったという空振りだったが、しかし、これはいかがなものか。いや、関係者に直撃するなと言っているわけではない。相手が違うのでは、ということだ。

 沙也加の急死の直後から、その存在が急浮上したのは現恋人の俳優・前山剛久だ。「週刊文春」(文藝春秋)が2号続けて、前山と沙也加の関係、確執を報じ、前山が沙也加を罵倒する音声、前山と元カノとのLINEのやりとりまでもが暴露された。

 沙也加の死について報じるなら、すでに別れて、沙也加の死とは関連などない(現時点でそれを指摘する材料はない)秋山を直撃する必要などないだろう。しかし「週女」は秋山に対し「彼女への思いをきくため」直撃しようとした。もちろん現在、秋山がジャニーズ事務所を“クビ”になっていることも関係あるだろう。弱いものいじめであり、「週女」の安易さも感じるものだ。

 さらに、さらに、それだけでなく、「週女」は3年前に別れた元夫・村田充の様子までうかがっていた。

「昨年12月下旬の夜。都内のレンタルスタジオから、神田沙也加さんの元夫で俳優の村田充が出てきた。村田は一緒にいた男性と笑顔で話していた」

 大きなお世話だ。「文春」報道によって、ネットなどで前山のバッシングが起こり、前山は芸能活動を休止する事態となっているが、しかし沙也加の死に大きな関係が指摘されている以上、彼の存在を取り上げその肉声を得ようとするのは必然だ。しかし秋山や村田は違うだろう。

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