コラム
【特別企画】中野瑠美×Paix²(ペペ)座談会(前編)

覚醒剤で懲役通算12年の元女囚と、矯正施設ライブ504回“受刑者のアイドル”が見た「刑務所の実態」

2021/12/28 11:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

中野瑠美さん

――最近は、「刑務所に入りたい」とか「死刑になりたい」と考えて事件を起こす例が目立ちますが、どう思われますか?

Megumi 刑務所に入りたくなる前に、誰かひとりでも愛を感じられる人と出会えればいいのでしょうが……。こればかりは自分で見つけないと、とも思いますね。

瑠美 刑務所に行きたくて事件を起こした人は、収監されて、めっちゃ後悔してるのとちがいますかね。

 女子刑務所はまさに「女の世界」ですから、いじめはめちゃくちゃしんどかったです。所長は男性が多いですが、あとはほぼ女性ですからね。本にも書きましたけど、懲役同士のいじめは陰湿です。歯ブラシを便器に入れられたり、化粧水のボトルにおしっこを入れられたりと、それはもうひどいもんです。

 男子刑務所は、もっと直接の暴力もありますから、しんどいと思いますよ。

――ひどいですね。

瑠美 と思います。でも、懲役の問題は、むしろ出所後ですよ。無期懲役や死刑判決はともかく、有期刑の人は、出所後はますます居場所はないですよ。前科者を雇ってくれる職場は、まだ少ないですからね。

 それに、獄中(なか)で刑務作業をすることでもらえる「作業賞与金」はもともと少ないから、すぐに使ってしまいます。シャバでは、お金がないとどうにもならないでしょう。

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