サイゾーウーマンコラム悪女の履歴書群馬・独居老人殺人事件:後編 コラム 高橋ユキ【悪女の履歴書】 84歳男性と「何度も男女関係ありました」――中年パート主婦2人が独居老人を絞殺するまで【群馬・独居老人殺人事件:後編】 2021/12/25 17:00 高橋ユキ(傍聴人・フリーライター) 悪女の履歴書 サラ金に追われるパート仲間との出会い ミツにとって残る問題は、サラ金からの取り立てのみとなった。しかし、転居先を探し当てた業者は、夫の勤めるタクシー会社に押しかけるようになり、夫は退社を余儀なくされる。その後、夫婦で静岡県三島市へと夜逃げしたのだ。 しばらくしてミツは三島市内の工場にパート勤めに出るが、わずか12日で辞めてしまった。このパート先で知り合ったのが、奈美である。 夫はトラック運転手で、帰宅は週に一度ほど。上の2人の子はすでに就職し、事実上は長女と次女との3人暮らしであった。アパートの家賃支払いに滞りはなかったが、生活は苦しく、町内の自動車部品工場へパートに出ていた。 そこを辞め、次のパート先で知り合ったのがミツだった。2人が共に働いたのはわずか12日間だったが、このときは奈美もサラ金の返済に追われており、同病相憐れむ仲となったのだ。 一方、ミツはこのパート先を辞めたあと、働いた形跡はなく、それどころか、桐生市に住んでいたころに足繁く通っていたパチンコ屋に再び通い始めた。さらには、それまでパチンコ屋に行くこともなかった奈美も、ミツに教えられ、2人でパチンコ屋に日参するようになる。 「奈美は地味でしたが、ミツは金縁のメガネをかけて、派手な色の服を着ていたから目立ちました。2人そろって毎朝11時ごろ来るんですが、腕のほうはねぇ……」 店主が振り返る。多い時、ミツは5万円もスっていたという。気づけば2人は、三島市内のサラ金からそれぞれ、200万円ほどの借金をしていた。 事件の2カ月ほど前から、奈美は、近所の主婦を訪ねては「子どもの高校の月謝が払えない」「給料日前で現金が手元にない」といった口実で、次々と借金を重ねるようになっていた。このままいけば破滅しかない……そんなとき、ミツが逸見さん殺害を持ちかけた。 次のページ ミツが計画した殺害の動機 前のページ123次のページ 楽天 つけびの村 関連記事 父親が老人ホームの女性スタッフにセクハラ!? 「同意しないなら退去」担当者が提示した条件老いてから金に執着するようになった母ーーその悲しい理由とは? 「年金で足りない費用」めぐる家族関係認知症の父が土下座で「至らない人間で申し訳ない。許してほしい」――介護する娘に、頭を下げた舌を噛み切り、喉に包丁を突き立て……団地ママ友3人の深い情欲と恨み【福岡 レズビアン殺人事件:後編】ご近所の団地ママ友を惨殺……子ども会役員で知り合い「仲が良すぎて」恨みに変わった【福岡 レズビアン殺人事件:前編】