コラム

中学受験、最後の模試で「合格率20%以下」、親は志望校を変えさせるべき?

2021/12/12 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

「焼肉……食べましたね(笑)。まあ、最終模試でしたし、落ち込まなかったと言えば、噓になりますが……。でも、落ち込んでも成績が上がるわけでもないですから、気分転換したほうが絶対いいですよね。陸也が頑張っていることは私が一番よく知っていましたし、陸也のS学院に対する思いは本物でしたから、受験しないってことのほうが不自然。模試は模試であって、本番じゃないですし。受けたいって気持ちがあるってことはチャンスもあるってことです。ならば、気分よく受験すればいいだけだって思ったんです」

 もちろん、併願対策もしっかりと行い、最悪、この学校でも十分に楽しめるという学校を確保した上でのS学院チャレンジではあったのだが、S学院合格への秘訣は友美さんの作戦勝ちでもあると思う。

「実は夫も『ここぞ!』が苦手な性質(たち)なんです。ビビりっていうのか、本番に弱いっていうのか(笑)。陸也は見事に夫に似てしまい、だから、慣れもあって、私は自然と励まし方がうまくなっているのかもしれませんね。人事を尽くしたら、あとは開き直って天命を待つだけです!」

 陸也さんの座右の銘は友美さんがよく口にする「意志あるところに道は開ける」なのだそうだ。現在の陸也さんは「医者になる!」という意志を持って大学受験を迎えようとしている。

鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。

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最終更新:2021/12/12 16:00
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