夫がママ友と浮気! 3人の子どもたちは義母の家に行って以来、4年も会えていないまま
『子どもを連れて、逃げました。』(晶文社)で、子どもを連れて夫と別れたシングルマザーの声を集めた西牟田靖が、子どもと会えなくなってしまった母親の声を聞くシリーズ「わが子から引き離された母たち」。おなかを痛めて産んだわが子と生き別れになる――という目に遭った女性たちがいる。離婚後、親権を得る女性が9割となった現代においてもだ。離婚件数が多くなり、むしろ増えているのかもしれない。わずかな再会のとき、母親たちは何を思うのか? そもそもなぜ別れたのか? わが子と再会できているのか? 何を望みにして生きているのか?
第6回 山川ひかるさん(38歳・仮名)の話(後編)
「4年前の春、夫やその家族に子どもたち3人を連れ去られました。今ではまったく会うことすらできません。夫はマイホームに別の女性とその連れ子と住んでいて、養育を放棄しています。子どもたちは、夫の母の家で暮らしているんです」
そう話すのは、山川ひかるさん。
「彼の素性がわかっていたら、結婚なんかしませんでした」
肩を落とすひかるさん。夫はどうやってここまで彼女を追い込んだのか? 浮気をやめない夫に対し、行動を起こしたところ……。
前編はこちら
夫がママ友と浮気!
――浮気現場を突き止め、駐車しているワンボックスの車内から、「ラブホテルにいるようだけど?」と言ってLINEをしたと。その後は?
夫は「後輩に車を貸したんだよ」と、そのときもまた、口から出まかせの嘘ではぐらかされました。
ラブホに休憩で入っているはずだと予想して、出てきそうな時間よりも少し前から、ラブホの入り口で待機しました。すると、夫がひとりで出てきましたが、車には戻らず、ホテルの敷地外に出ていきました。その後、デリヘル業者の送迎ではない、普通のタクシーが入り口外で待機しにきたんです。
「このタクシー、もしかして、山川という男が呼んだんですか?」と聞いたら、運転手さん、ちょっと慌てた表情を浮かべた後で、「プライバシーがあるから」と言って遮ったんです。
――それは、ほぼクロですね。
そのうち女性がやってきて、そのタクシーに乗ろうとしたんです。顔も見ず、その女性に駆け寄って「あなた、私の主人と浮気していたでしょう」と迫りました。
そして、駐車場のワンボックスまで連れていって、鍵を開けて乗せ、私が彼女の家まで送りました。私は浮気相手の住所を把握していたので、何の疑いも持たず、その住所へと車を走らせたんです。
すると彼女は、「この家じゃない」って言うんですよ。「えっ」と思って顔を見ると、小学校のママ友だったんです!
――え、ということは、夫はママ友まで毒牙に! でも、一体どうやって?
子どものお迎えの際に連絡先を交換したらしく、夫が彼女に「相談に乗ってほしい」といって車に乗せて、そのままラブホまで連れてきたそうなんです。それで彼女、「怖くなって、もう、言われるがままだった。言うことを聞くしかなかった」って言うじゃないですか。彼女は夫に食われてしまったんです。
それからさらに10日ぐらいして、また、ラブホテルに夫の車がまっている形跡がありました。恐らく別の相手だと思いました。