「飲んでも子どもの弁当は作る」は、一昔前の“いい母親”? 相川七瀬&YOUの発言に思う時代の流れと“ウリ”になるキャラ
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今週の芸能人>
「どれだけ飲んでも、朝の6時に起きて弁当作って送り出す」相川七瀬
『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系、11月5日)
バラエティ番組を主戦場とするタレントは、自己紹介替わりのエピソードトークを持っている人が多い。そのネタは意外性があり、話が広げやすいほうがいい。さらに聞く人の印象に残り、タレント本人のイメージがよくなれば完璧だろう。
たとえば、女性タレントがプライベートでモテていて、常に自分を好きな人に囲まれていたとする。しかし、これをテレビで話したら、共演者のリアクションは「そうですか」で終わる可能性が高いので、エピソードトークとしてふさわしくない。それならば、「モテそうだと言われるけれど、実はモテない。いつも変な男と付き合ってしまう」という意外性のあるエピソードを話したほうが、共演者は話を広げやすい。こういうトークがきっかけで、そのタレントに興味を持つ視聴者もいるし、キャラが立って次の仕事につながることもあるかもしれない。
こう考えると、タレントのエピソードトークは、仕事を広げるためにとても重要なものといえるが、バラエティ番組は時代を映す鏡でもあるので、話すほうはより一層気を使わなければいけないのではないだろうか。
11月5日放送の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)のトークテーマは「大人になったら一回は考えたことあるよね?」で、今回は歌手・相川七瀬が出演。相川といえば、1990年代にミリオンセラーを連発した人気アーティストであり、結婚して3人のお子さんもいる。その相川が「大人になって守りに入った話」を披露した。
相川は30代の頃、「若い時は子どもがいても、子どものことはしっかりやります(と思っていた)。でも、夜、飲みに誘ってもらったら行きたい」「子どもたちのことを全部やって、主人がいいよって言ってくれたら行く」「どれだけ飲んでも、朝の6時に起きて弁当作って(家族を)送り出す」生活をしていたそうだ。しかし、最近では翌日に収録が入っていたりすると、朝起きられるのか、ちゃんと弁当が作れるのかと心配になって、飲みに行かなくなってしまったという。そんな自分自身を「つまらない大人になっている」と話していた。