コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき118

死刑は犯罪抑止にはならない? 元極妻が考える「極刑」の重み

2021/11/07 16:00
待田芳子(作家)

 死刑については、もっといろんな議論があっていいと思います。特に直接証拠のない死刑は、問題が多いですしね? なんて考えていたら、ちょっとかっこいい記事を見つけました。

 産経新聞の東京社会部長・酒井孝太郎さんが五代目工藤會・野村悟総裁の死刑判決について「暴力団の水面下でのマフィア化」を懸念されていたのです。

 記事には、死刑を含む厳罰化で「暴力団」の存在が見えにくくなる懸念とともに、「警察庁によると、平成27年から令和元年にかけて、支援を 受けて暴力団を離脱したのは3090人で、このうち各都道府県の『社会復帰対策協議会』を通じて就職できたのは149人。わずか5%弱だ。残りはどうしているのか。定職に就いたとしても順調に仕事を続けているのか。残念ながらデータはない」という指摘がありました。

 ほんとそれです。排除されて路頭に迷ったヤクザたちが、さらに悪いことをするのは想像がつきますよ。

 「暴力団の動向だけを追っていればよかった時代はとうに過ぎ去り、われわれは不穏の中にいる」というシメのお言葉にはしびれました。半グレは「暴力団」と違って明確な親分子分関係はなく、少年や女の子もいるけど常に決まったメンバーがいるわけではないので、実態が把握しにくいのです。

 これに対して、ヤクザは悪いですが、堂々とカミングアウトしていましたし、地元の警察とは、まあまあいい関係でしたからね。そのほうが便利だったと思いますよ。

 それにしても産経新聞は保守のイメージしかないですが、実際はそうでもないのですね。少し前には、同じグループの夕刊フジが1面トップに「マスク2枚 ふざけるな!! 今こそ減税」と大きく出して安倍政権を批判していて驚きました。ツイッターでは「日刊ゲンダイと区別がつかない」ってなっていました。

 話がそれてしまいましたが、ワルモノを排除したところで、いい方向には行かないと思いますよ――という、いつもながらの結論です。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2021/11/07 16:00
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