石川県のロングセラー「とり野菜みそ」、鍋だけじゃもったいない! 調味料ソムリエがアレンジレシピを紹介
――日本各地のご当地で愛され続ける、家庭料理の味。北海道から沖縄までそれぞれの地域でロングセラーを誇るローカルな商品を、調味料ソムリエ/野菜ソムリエ・MICHIKOさんが紹介していきます。
石川県のご当地調味料:とり野菜みそ
寒さも日に日に増し、あたたかい鍋にホッコリする季節となりました。今回は、北陸の味噌鍋、(株)まつやの「とり野菜みそ」です。
「とり野菜みそ」のルーツは江戸時代までさかのぼります。初代は北前船の廻船問屋を営んでおりました。過酷な労働の船乗りたちに、栄養価の高い食事を摂らせようと初代が自ら考案・調合した味噌を使い、たくさんの魚や野菜を鍋で煮込んで食べさせていたとか。戦後、飲食店を開業しメニューに加えたところ、お客様からの「おいしい。お土産に持って帰りたい」というリクエストがあり、当初は鍋や袋にいれていたそうですが商品化したところ、人気商品となりました。
その歴史は約50年、創業当時の味わいを大切にしながらも、微妙にその時代に合わせた味わいに変えているそうです。パッケージデザインは当時と変わりませんが、創業者が奥様(金髪のようですが日本人)の似顔絵を描かれたものだそうです。素人の絵画とは思えないほど、ほんわかとした温かみと鍋のおいしさが感じられますね。
とり野菜みその「とり」は鶏肉のとりではなく、肉や魚、野菜から、「栄養をとる!」という意味が込められています。豚肉や牛肉、鮭やブリ等もよく合います。もちろん、野菜もたっぷり加えましょう。
お鍋がオススメ! 肉の味噌漬けも◎
オススメはお鍋! 具材は豚バラ肉と白菜、切干大根をサッと洗って絞って加えると、ダブルのうま味効果でおいしさがアップします。白菜の変わりにキャベツやもやし、厚揚げなど冷蔵庫にあるものを加えて、手軽に自分好みにアレンジしてみましょう。とり野菜みそは入れた食材の味を生かしてくれるので、入れる具材によって全く味わいの違う鍋になります。
万能だれとして、ナスやピーマンなどの野菜の炒め物や、肉の味噌漬け(1晩~3晩)にして焼いたり、ハンバーグに隠し味で入れるとふっくらと焼き上がります。少しハチミツなどの甘みを加えるのもいいですね。
ほかに、蓋のできるスパウトパックがあり、保存に便利です。シリーズに、特製豆板醤と風味豊かなねりごまを使った「担々ごまとり野菜みそ」等、いろいろあります。これ1本あれば、あなたも料理上手に♪
「とり野菜みそ」アレンジレシピ:ミート味噌ソース
味噌風味が肉のおいしさを引き立て、コクのある味わいに! 冷めてもおいしい!!
【材 料】(3~4人分)
合いびき肉 450g、玉ねぎ 大1個、セロリ 2╱3本、トマトの水煮 1缶(400g)、オリーブオイル 大さじ1、とり野菜みそ 1袋、
【作り方】
1)玉ねぎとセロリはみじん切りにする。
2)フライパンにオリーブオイルを入れ、1)を入れてよく炒め、合いびき肉を加えてよく炒め合せる。
3)トマトの水煮を加え、蓋をして弱中火で10分ほど時々混ぜながら煮る。
4)とり野菜みそを加えて混ぜながら、煮汁が少し残るくらいまで煮詰める。
*ゆでたパスタに適量かけ、お好みでパセリのみじん切りをトッピングする。
*お好みで、はちみつ 小さじ2くらい入れるとうま味がUPします。
「とり野菜みそ」アレンジレシピ:とり野菜みその浅漬け
きゅうり、だいこん、にんじん等のお好みの野菜 300g、とり野菜みそ 50g
【作り方】お好みの野菜を食べやすい大きさ(薄切り)に切り、とり野菜みそを加えて混ぜ、30分~漬ける。冷蔵庫に入れて、常備菜にも◎。