カルト宗教を脱会した日、私は『アルマゲドン』の主人公になった。親との関係は“世紀末”に、でも「辞めてよかった」ワケ
「脱会して、大きく変わったことって何?」この体験談を人に話すと、よく聞かれる。「信仰していない宗教から解放された」と、心から言えること以外でよかったのは、正直、「毎月徴収されていた少額のお金を払わなくてもよくなったこと」くらいだろうか。対して、家族や友人たちを捨てなくてはいけないという惨憺たる面があるのも事実だ。
確かに、親元を離れて、教団に名前だけを残した状態で、プライベートでは宗教と距離を取ってさえいれば、脱会しなくてもいいという考えもあるのかもしれない。しかし親との縁はこれからも続くし、ふとしたことで、「自分の人生は一体なんなんだ!」と、自分が信じていないカルト宗教に関わり続けているコンプレックスに押しつぶされ、苦しくなる瞬間は何度もあることだろう。だからやっぱり、脱会することのメリットは大きいと思う。
ただ、もし今、昔の自分と同じように、無計画にいきなり脱会しようとしている学生の2世信者がいるとしたら、親から生活の支援を断ち切られたりするパターンもあるので、オススメできない。私がこのやり方で成功したのは、親が比較的常識のあるほうだったからだ。宗教のことしか目に入っていない1世信者は、何をするかわからない。もし脱会するなら、就職して独り立ちしたタイミングがベスト。そのために学生のうちから準備をしておくといいと思う。
そして、私は自分の今世の人生を賭して、脱会したら普通に周りにバレるということを明らかにしたが、脱会通知書を送る際は、自爆する覚悟をきちんと固めてFAXの送信ボタンを押してみよう。『アルマゲドン』のようにハッピーエンドになるかもしれない(映画だと主人公、死にますが……)。無事を祈っています。
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