『二月の勝者-絶対合格の教室-』レビュー

『二月の勝者-絶対合格の教室-』成績下位の生徒を「できない子だと思ったことはありません」と語る黒木の理論

2021/10/30 21:10
桜田モモ (ライター)

本心では「できない子」「無理だ」と見なす、大人の欺瞞

 Rクラスの生徒たちを「お客さん」「不良債権」と称していた黒木だが、成績下位の子を切り捨てる意図ではなかったようだ。黒木は佐倉に「勉強が楽しくなければ中学受験は成功しない。あなたは子どもたちに勉強の苦しさだけを伝えていたのではないですか」と問いかけ、さらに、こう続けた。

「あなたは私に、できない子の気持ちがわからないのかとお尋ねになりましたが、私は誰一人として『できない子』だと思ったことはありません」
「子どもを切り捨てることはできないと言いながら本心は無理だと思っている。違いますか?」

 黒木のこれらの言葉には、佐倉のみならず、普段の生活で子どもと関わることのある視聴者もハッとさせられたのではないか。

 元中学教師で良心的な人柄の佐倉は、「できない子」に寄り添い、励まし、応援する。それらは佐倉の善意なのだろうが、しかし、そもそも自分のことを「できない子」扱いする大人になんて、子どもは心を開かない。

 大人が子どもとの関係構築に行き詰まった時、大人はまず、自分がその子を「どんな子だと思っているのか」を自問するべきなのかもしれない。


 第1話に続いて、鋭い言葉を投げかけた黒木。塾は「営利目的の企業」とも言う黒木だが、どうやら「お客さん」である生徒の将来をぞんざいに考えているわけではないと見られる。30日放送の第3話では、成績上位のΩクラスに在籍する「できる子」にスポットが当てられる。

桜田モモ (ライター)

桜田モモ (ライター)

関東在住、小学生ママ。嫌いな言葉は「心を一つに」「 服装の乱れは心の乱れ」。

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最終更新:2021/10/30 21:10
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黒木理論は言葉の綾を利用しがち?