コラム
ママ友グループLINEから

「あなたの息子は手がかかる」“加配申請”のため、保育園から発達障害診断を受けるよう言われたママの不安を救った“一言”

2021/10/24 18:30
池守りぜね(ライター)

 加配制度も、以前よりは広がりをみせているが、周囲の理解を得られるかどうか、美波さんには不安があったようだ。

「でも、息子のことを相談したママ友が、LINEで民間の療育施設やクリニックなどの情報を教えてくれたんです。それまでは落ち込みがちだったのですが、『〇〇君ならできるよ!』と励まされ、元気が出ました。自分の子だけ特別扱いされると、かえって障害が目立ってしまうかもしれないと不安もありましたが、ママ友は『学年が上がると、先生一人で見る児童数が増える。その分、子どもへの注意が減ってしまう。それなら加配の先生がいてくれると、安心して過ごせるよ』とも言ってくれたので、ほっとしました」

「情報の少なさが、不安の一番の原因」

 なお、美波さんは、不安を解消するために、ネットで子どもが発達障害と診断されたママのブログなども読み漁ったという。

「結局、情報の少なさが、不安の一番の原因だと思うんです。ママ同士でも話題に上げづらいし、相手のことを思うと、どこかよそよそしくなってしまいますから。でも、発達障害の症状は見られるけれど、すべてには当てはまらない“グレーゾーン”と呼ばれる子どもは、意外といるんじゃないかと思います。それぞれにあった療育を行うことで良くなる可能性がありますし、もし、気になることがあるなら勇気を出して診断を受けてみてほしいですね。息子の場合は心理士の先生から、『今は、どうやって言葉で表現すればわからないというような症状が見られるけれど、小学校に上がるまでに良くなると思います』と言ってもらえたので、通所する勇気が出ました」

 その数は増えているように感じる発達障害児。しかし、周囲のフォローがまだ追いつていないようにも感じる。誰もが気兼ねなく検査や療育を受けられる環境が整備されることが、ママたちの悩みを取り除く一歩になるのではないだろうか。

池守りぜね(ライター)

出版社やweb媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は家族とのプロレス観戦、音楽フェス参戦。プライベートでは女児の母。

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最終更新:2021/10/24 18:30
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