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『ザ・ノンフィクション』レビュー
『ザ・ノンフィクション』若年性アルツハイマーの父親をケアする高3の息子「ボクと父ちゃんの記憶 ~家族の思い出 別れの時~」
2021/10/18 19:36
・障害や病気のある家族に代わり家事をしている
・家族に代わり幼いきょうだいや、障害や病気のある家族の看病、世話をしている
・(認知症などで)目の離せない家族の見守り、気遣いをしている
・日本語が第一言語でない家族のために通訳をしている
・家計を支えるために労働をしている
・アルコール、ギャンブル、薬物など問題を抱える家族に対応している
・慢性的な病気の家族の看病や身の回りの世話をしている
NHKの公式サイトにはヤングケアラーの特集ページがあり、精神疾患を持つ親の世話をする子どもなど、実際の声が紹介されている。
ヤングケアラーの「しっかりせざるを得ない」子どもたちは、年相応に子どもらしくのほほんと、気ままにワガママに甘えて過ごす同級生たちがどう映るのだろう。当事者の自分の境遇の理不尽さへの怒りと諦め、深い孤独を思うとやるせない。
私事だが、40歳を過ぎて健康保険料が急に上がって驚き、思わずネットで検索してしまったが、同様に驚いている人も多く見つかった。これは、介護保険料が加わったためだ。自分がこの恩恵にあずかれるかは不透明だが、少なくとも大介のようなヤングケアラーは個々人がなんとかする問題ではなく、社会がなんとかする問題だと私は思う。
ヤングケアラーの負担が少しでも減るために自分の介護保険料が使われるなら、個人的には納得のいく使われ方に思う。
次週の『ザ・ノンフィクション』は「奇跡の夏に輝いて ~ピュアにダンス 待寺家の18年~」。番組が18年見つめてきたダウン症のあるダンサー、待寺優31歳。ダンサーとしてのピークは過ぎ、どう自立への道を進んでいくのか。優と家族を見つめる。当作は令和3年度(第76回)文化庁芸術祭参加作品でもある。
最終更新:2021/10/18 19:36