ヤクザの家はガスも止められる時代に! 元極妻が考える、どんどん進む排除と「ライフライン」
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
東京ガスが暴力団の契約を解除できる
この10月で、全都道府県に暴力団排除条例が整備されて10年を迎えました。以前も書かせていただきましたが、過剰な暴排が奏功してか(?)、2020年のヤクザの数は過去最小、半グレの検挙数は過去最多になっていますね。
さらに、この10月からは東京ガスなど都市ガスの約款に「反社会勢力の排除条項」が設けられたことが報道されています。
東京ガスの公式サイトによりますと、約款には、「お客さまおよび当社は、ガス需給契約成立時において、自己または自己の役員が、暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業・団体、総会屋等その他これらに準ずる者(略)にも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを表明し、保証するものとします。違反した場合はガス需給契約を解約することがあります」とあります。
まあ想定内ではありましたが、やっぱりちょっと怖くなりました。ライフラインを断たれるというのは、すごいことです。それにしても総会屋って、今も190人はいるんですね。
まず「暴力団事務所」が対象に?
この都市ガスの供給停止については、反社会勢力そのものでなく「同居する家族の人権」に同情するメディアも多いです。
たとえば「デイリー新潮」は、「奥さんや子供までにも不利益をかぶせてしまうのは、ちょっと可哀そうだなと同情してしまいます」とか「果たしてガスの供給が反社会的勢力への利益供与や活動の助長と言えるのか、唐突感が拭えず、さすがに驚きましたね」などと、警察幹部やOBのコメントを紹介しています。
ちなみに、上の記事には「反社認定されれば、生命保険や車の保険が契約できない」とありますが、事故の被害者救済策として暴力団員であっても自賠責(自動車損害賠償責任)保険への加入は義務づけられています。念のため。
あと、細かいところですが、警察官時代に配られた「暴力団組織図」を天下り先の民間企業で使うのは問題ないのでしょうかね。ちょっと気になりました。
話がそれましたが、いきなりガスが止められることは、まずないと思います。多くの方が指摘されている通り、いきなり個人宅のガスが止められることはなく、事務所の規制からでしょうね。そもそも枝(末端)の組員の自宅までチェックするのは、数が多すぎてムリですし。
そして、やっぱり「排除第1号」は山口組の本部事務所の可能性が高いですが、「特定抗争指定暴力団」の指定により、同事務所はすでに使えなくなっていますから、意味あるのかなとも思います。むしろ指定を受けていない組織の事務所は、若い衆が住んでいる場合もあるので、けっこう大変だと思います。