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『ザ・ノンフィクション』レビュー
『ザ・ノンフィクション』44歳で始まった終活「人生の終わりの過ごし方 ~『ダメ人間マエダ』の終活~ 前編」
2021/09/13 16:47
そしてマエダの終活が人に恵まれていた二つ目の理由は、マエダの年齢、それも実年齢というよりは、社会的な年齢も大きかったのではないかと思う。
紆余曲折の末に、パチスロライターという天職にマエダが出会えたのは30台半ばとのことで、マエダは「相性のいい仕事をはじめて10年弱」というタイミングで終活を始めることになってしまった。
仕事をして10年目くらいになると右も左もわからないころを経て、責任ある仕事が出来始める時期だと思うし、それに応じ人間関係も広がってくるころだろう。一方で、マンネリや疲れなどはまだ出てきていない。「学校を卒業し社会に出て、そのままいい感じに仕事をして30すぎ(10年目くらい)の人」も、肩で風を切っているように思う。
これが高齢になれば仕事から離れる人も多く、人間関係が疎遠になっていき「人に恵まれた終活」の難易度は跳ね上がるだろう。
しかし、充実した終活などよりも、マエダは仕事をしたかったはずだ。番組内で、パチスロ雑誌を出している出版社への道のりを、自分が読んでいる雑誌を作っている場所なのだとワクワクしながら歩いたと、思い出話をしていた。
これから、という時期で終活が始まってしまったマエダの無念はいかほどのことか。
なお「自分の興味を極める」という終活のスタイルも『ザ・ノンフィクション』で紹介されている。
次回の『ザ・ノンフィクション』は今回の後編。20年2月に「余命は3カ月から半年」と告げられていたマエダ。その半年を超えたあとのマエダの生活を見つめる。
最終更新:2021/09/13 16:47