サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」“毒舌キャラ”有吉弘行のすごさ コラム 仁科友里の「女のための有名人深読み週報」 フワちゃんのタメ口に「NO」を突きつけた有吉弘行はすごい? “毒舌”でも人を傷つけず、批判されないやり方 2021/09/09 21:00 仁科友里(ライター) 女のための有名人深読み週報 フワちゃんを叱っても批判されない、有吉弘行の“策” 同番組は、有吉弘行ら多数の芸能人が一緒に旅行をし、観光地を満喫するというもので、今回はお笑いタレント・フワちゃんが初出演を果たした。フワちゃんといえば、大物芸能人に対しても“タメ口”なことで話題を呼んだ人物。こういう人はテレビカメラが回っていないところでは気を使っていて、だからこそ非礼が相殺されるのかもしれないと思っていたが、20年11月6日配信のニュースサイト「週刊女性PRIME」がフワちゃんの遅刻癖について報じた。こうなると、礼儀を重んじないのはキャラではなく、素だと思われる。社会人で遅刻が歓迎されることはあまりないだろうから、本当に遅刻魔だとしたら、フワちゃんのイメージダウンにつながるだろう。 この報道後、同月15日放送の『サンデージャポン』(TBS系)に出演したフワちゃんは「私は1回も遅刻をしたことがない」と発言するが、話をよく聞いてみると「打ち合わせには遅れているが、本番には遅刻していない」ことがわかる。「番組に穴をあけているわけではないからよい」と言われたらそうなのかもしれないが、これは逆に考えると、「遅刻を反省していないこと、打ち合わせやそれを行うスタッフを軽んじていること」と同じではないか。しかし、ここで年長者が「遅刻はいけない」とテレビで公開説教すると、SNSで“老害”とか“パワハラ”と批判されかねない。芸能人は人気商売だから、自分が損をするようなことをわざわざしないだろう。実際、出演者から「(遅刻)してるんかい!」というツッコミは飛んでいたものの、注意するような人はいなかった。 しかし、有吉はこういう“ルール違反”を見逃さない。夏休み2日目、フワちゃんが集合時刻に遅れる。出演者の一人、みちょぱ(池田美優)によると、フワちゃんはこの前日も飛行機の時間ギリギリにやってきたそうだ。みちょぱは「有吉さんは早いから、10分前に降りてきて」とアドバイスしたそうだが、それを知っていても守れなかったということだろう。このとき有吉は「なんでいつも俺より後なんだよ」「遅刻するな」「毎日遅刻しているじゃないか」と言って、フワちゃんの頭を叩いている。 私も時間厳守を刷り込まれた世代なので、有吉の言うことは正論だと思うが、人によっては「カメラの回っていないところで注意してあげるべきだ」「叩くなんてハラスメントだ」と感じるだろう。有吉はそういう人に対しても有効な“策”を持っている。「それ(集合時間)だけ守れって言ってんだよ」と告げたあとに「あとは自由にやってもいいし、敬語使わなくてもいいし」と付け足したのだ。正論もしくは毒舌1のあとに、譲歩が2。 これで有吉と同じく「遅刻は悪いことだ」と思っている人は「よく言ってくれた」と評価するだろうし、正当な注意であってもパワハラだと感じやすい人も、譲歩が2あることで、注意された感を薄めて「許された」「有吉は優しい」と納得できるのではないか。 次のページ 変化する毒舌芸能人・有吉弘行に見る、テレビの面白さ 前のページ123次のページ 楽天 有吉弘行365日くらやみカレンダー 関連記事 NHK・桑子真帆アナ、スピード離婚&“不倫デート”報道からの結婚発表――「ほんわかした性格」というイメージに“ズレ”が生じた瞬間小倉優子、「旦那さんとデートしなきゃ」発言に思う“反省”と“努力”の限界――「頑張ってもうまくいかない」こともある華原朋美は「幸せそうなメンヘラ」? 精神的に不安定でも、「ギリギリの線はちゃんと守る」強さとスゴさ『ゴゴスマ』を成功に導いた石井亮次アナ、「天狗になっていない」アピールの危険度とは? 視聴者の共感を得る“今どきの謙遜”大ブレーク芸人・ヒコロヒーは“やさぐれキャラ”だけど……「売れても変わらない」を求める、真面目な“人間性”に思うコト