コラム
[再掲]仁科友里「女のための有名人深読み週報」

NHK・桑子真帆アナ、スピード離婚&“不倫デート”報道からの結婚発表――「ほんわかした性格」というイメージに“ズレ”が生じた瞬間

2021/09/02 21:00
仁科友里(ライター)

 離婚よりも、私が不思議だと思うのは、女子アナの人となりを語るときに、持ち上げるときもけなすときも、“飲み会”をその根拠とする週刊誌の記事である。6月18日、新潮社のウェブサイト「デイリー新潮」が、桑子アナについて「桑子さんはキャスターにしては珍しく、番組の反省会や打ち上げにマメに顔を出してくれるんです」と報じ、ナンパしてきた男性に持ち帰られそうになったが、未遂に終わったと、やんわり“貞操観念がゆるいのではないか”ということをほのめかした。また「週刊女性」(主婦と生活社)は、「桑子アナ、子作りよりも朝まで飲み会で、夫の合コン率UP!?」といった具合に、「飲み会の参加率」に着眼し、それを離婚原因だとしている。飲み会をその人の判断材料にしたり、離婚の遠因であるかのように報じたり、飲み会が重要視されすぎているように感じるのだ。

 しかし、これは桑子アナに限った話ではなく、オリコン主催の「好きな女性アナウンサーランキング」で5年連続首位となり、殿堂入りを果たした日本テレビ・水卜麻美アナも「飲み会に来て、よく食べている」といった記事を目にする。また有働アナは、自ら『ウドウロク』(新潮社)で、仕事の飲み会は断ったことがないと明かしている。これらの例から考えると、やはり“飲み会に来てくれる女子アナはいい人”といった具合に、飲み会の参加率が人格の評価につながっているような印象を受けるのだ。

 私が会社員だった頃、オフィスでちまちま仕事をするよりも、飲み会に行ってオジサンに顔と恩を売って、“お気に入り”になった方がトクだと先輩に言われたことがある。「誰にでもできる仕事なら、自分のお気に入りを引き上げたい」というオジサンの気持ちを見越しての判断だが、女子アナという高度な専門職につく女性でも、オジサンと飲むことは、いまだに意味を持つのだろうか。だとしたら、世の中の変わらなさに驚くばかりである。

 この離婚により、桑子アナバッシングが巻き起こり、離婚がマイナスに捉えられる向きもある。しかし、別にマイナスではないのではないか。かつて有働アナが独身ウリをしていたように、桑子アナもバツイチをキャラとして使えばいいのだ。というか、仕事が落ち着くまで再婚しない方が、本人にとってもファンのためにもいいのではないか。近いうちに熱愛報道が出そうな気もするが、ほどほどに頑張っていただきたいものである。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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X:@_nishinayuri

最終更新:2021/09/02 21:56
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