カルト宗教の元信者は、なぜアンチに転じるのか? 元2世信者が「信仰を失う4つのプロセス」を図解!
さまざまな関門を抜け、信仰を完全に失った先にあるのが、この「あれ、そんなことあったっけ期」である。ここは日常生活が充実していて、もはや信者の頃の記憶がなくなるというゾーン。昔の出来事が別の人の人生みたい、フィクションみたいと感じるようになる。ここまで来てようやく毒素が抜けきったといっていいだろう。
この段階に到達するには、ダークサイド期を脱した後、さらにその宗教に距離を置いて忘れるまで、かなりの時間を要する。個人的には4〜5年くらい必要なのかなと思う。
「そんなにその宗教が嫌いなら、離れたらいいやんけ」と思うだろうが、実はそれがまた意外と難しい。気づけばスマホに入っている連絡先の大半が信者だったり、家族はおろか親族みんな信者だったりすることも少なくないのだ。
こういった人たち全てに距離を取って、日常生活を別のベクトルで充実させることは、かなりの難易度。絶対に周りの信者たちと軋轢が生まれてしまうので、あえて「あれ、そんなことあったっけ期」に踏み込もうとしない人、つまり達観期にあえてとどまる人も、多数いる印象である。
意外と難易度が高い、信仰を失うプロセス
以上が、自分の思う信仰を失うプロセスである。カルト宗教の信者は、こんなこと考えているんだなぁというのが伝わっていれば幸いだ。
そもそも論として、信者は「宗教はビジネスである」という側面への思慮が欠けているなど、ツッコミどころは結構ある。その抜けている感じが、まさしく信者の風情なのかもしれないが。
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