コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき112

オリンピック開催中に発砲事件! 「山健組若頭銃撃」は大抗争への号砲の可能性も

2021/08/15 16:00
待田芳子(作家)

 この事件については、いくつかの「謎」があります。

 まず、若頭の襲撃は2回目でした。2019年4月に六代目山口組の中核組織である弘道会系の組員に刺されて若頭は重傷を負っています。この時の実行犯と運転手役は出頭して殺人未遂などで起訴されており、今年の7月に懲役11年(実行犯)と懲役9年(運転手役)の一審判決を受けたばかりでした。ちなみに2人は控訴しています。

 なぜ若頭ばかり2度も狙われたのでしょうか? しかも、よりによってオリンピックの時期に? 

 また、銃撃してきたバイクのライダーは、炎天下になぜかダウンジャケット(しかも茶色)を着ていたそうです。目撃された市民の方の印象に残ったそうですが、そりゃ残りますよね。まったく意味がわかりません。そもそも暑いし、目撃者が覚えやすい服装はヒットマンとしては微妙すぎますし、これも謎です。

 そしてもうひとつ、最大の謎は、まだ実行犯がわからないことです。前回の若頭襲撃では、すぐに実行犯が出頭していますし、過去の事件でも六代目山口組側の実行犯はだいたい出頭しています。

 今回も六代目山口組関係者がすぐに出頭するとみられていましたが、この原稿を書いている8月12日現在、事件から1週間なのに実行犯はわかっていません。これは、とても珍しいことだと思います。

 仮に実行犯が弘道会の関係者だったとして、今回だけ、なぜ出頭しないのでしょう? そこで、出頭しないのは、「実行犯が六代目山口組関係者ではないから」だともいわれ始めています。

 では、六代目関係者でなければ、誰でしょうか?

五代目山健組は2つある

 ちょっとわかりにくいのですが、五代目山健組は昨年の7月に分裂していて、現在、「五代目山健組」は2つあります與若頭は残留したほうの山健組です。

 分裂に至るにはいろいろあったでしょうから、この流れでの銃撃も可能性としてはある、というわけです。謎は深まるばかりです。

 この事件が起こるまでは、「オリパラが終わったら、山口組再統一に向けて大きな動きがある」といわれていましたが、その前に起こってしまったことで、「オリパラを待たずに動きだすかも」という話もあります。

 山一抗争みたいな大抗争にはならないでしょうが(と思いたい)、何かあるのでしょうかね。ひとまず今回は死者や重傷者が出ていないので、よかったです。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2021/08/15 16:00
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