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『ブラック・ウィドウ』出演料裁判で、ディズニーに非難集中! スカーレット・ヨハンソンを“ごねている女”扱い

2021/08/02 17:40
堀川樹里(ライター)
gettyimagesより

 マーベル・コミックの人気女性キャラクターを描いた、新作映画『ブラック・ウィドウ』。スカーレット・ヨハンソンが演じる暗殺者ブラック・ウィドウは、2010年公開の『アイアンマン2』に初登場したときからファンの心を奪い、7月8日に全米で公開されると3日間で8000万ドル(約87億7000万円)以上の興行収入をたたき出した。

 しかし、その『ブラック・ウィドウ』をめぐり、スカーレットと、同作の制作スタジオを傘下に持つウォルト・ディズニーの間に大きな亀裂が生じている。

 米芸能誌「People」によると、スカーレットはディズニーから「『ブラック・ウィドウ』は劇場のみで公開する」と約束され、報酬の大部分は劇場の興行収入に基づいて計算されるという契約を交わしていた。しかし、ディズニー側がストリーミングサービス「Disney+」で同作を劇場公開と同時配信したことで、劇場での観客が激減。5000万ドル(約54億8000万円)以上もの損害を被ったとして、契約違反を理由に、現地時間7月29日にディズニーを提訴した。

 これに対して、ディズニーの広報担当者は、「まったくメリットがない訴訟」「新型コロナウイルスのパンデミックで、世界が長期的に恐ろしい影響を受けているということを無情にも無視した訴訟であり、悲しく痛ましい」「ディズニーはヨハンソン氏との契約をきちんと守った」と反論。「Disney+のプレミアアクセスで配信されたことで、彼女はすでに受け取った2000万ドル(約21億9000万円)に加え、追加報酬を受け取る能力を大幅に強化した」とも主張した。

 このディズニーの反論にネット上は、「契約違反の話をしているのに、なんでコロナとか報酬額の話を持ち出すのか」「“コロナ禍で世界中の人が困っているのに、2000万ドルを受け取ったスカーレットが“ごねている”と印象づけている」などと違和感を覚える人が続出。論点ずらしだとの批判が噴出した。

 映画業界の女性の権利を守る人権団体「Women in Film」、業界のジェンダー平等を守る「ReFrame」、そしてセクハラ撲滅を訴える「TIME’S UP」は、共同でディズニーへの批判声明を発表。「訴訟に関してはどちらの肩も持たない」とした上で、ディズニーの反論は「契約上の権利を守ろうとするスカーレットを、無神経で利己的な人物と印象づけようとしている」と指摘。

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