コラム
「2回目だからこそのしあわせ〜わたしたちの再婚物語」第4回
「子育てがつらくてたまらなかった」お酒への依存が原因で離婚、新しいパートナーは「断酒会」で出会った男性
2021/08/06 11:00
8年前、照子さんが58歳のときに離婚が成立。照子さんは男性と付き合い始めた。
一緒に住むことはしなかった。互いの家を行き来したり、外に食事に出かけたり。大人同士の静かな交際を続けていた。
一緒に暮らし始めたのは、いまから4年前、男性の大腸がんが見つかって、手術をすることになったからだ。
「退院してもそうすぐには動けないから、初め彼はヘルパーさんを頼むなどして乗り切ろうと思ったらしいんです。でも、『それなら私が行くよ』と。そこから、彼の家に住み始めました」
いまのところ共同生活は、うまくいっている。照子さんは物事をはっきり言うほうで、男性は言いたいことをのみ込んでしまうタイプ。元夫とはすぐに応戦になったが、男性には照子さんを包み込む包容力がある。照子さんがキャンキャン言うのを、うまくなだめてくれている。
一方で、照子さんも、病を抱えた男性の心細さに寄り添っている。互いに60代半ばを過ぎ、一緒に暮らす人がいる安心感は計り知れない。
「子どももいるので、籍を入れることはしません。でも、このまま一緒に、穏やかに年を重ねていきたいと思いますね」
(上條まゆみ)
最終更新:2021/08/06 11:00