コラム
「2回目だからこそのしあわせ〜わたしたちの再婚物語」第4回
「子育てがつらくてたまらなかった」お酒への依存が原因で離婚、新しいパートナーは「断酒会」で出会った男性
2021/08/06 11:00
脳のCT画像を見て以来、キッパリとお酒をやめた照子さんだが、常に「いつか飲んでしまうかも」という不安を抱えていた。市の施設に掲示されていた断酒会のお知らせを見て、連絡してみた。断酒会とは、お酒の問題を抱えた人たちによる自助組織で、同じ悩みを持つ人たちが互いに理解し合い、支え合うことを目的としている。
照子さんはここで、いまのパートナーとなる男性と知り合った。
「断酒会に行ってみようと電話をしたとき、対応してくれた男性で、とても親切で感じがよかった」
「一度、見学に来てください」と言われて行ってみたら、アルコール依存で悩んでいる人やその家族などが、20〜30人くらいいた。順番に自分の体験談を話したりしていて、照子さんも自己紹介を求められ、いままでの経緯を話した。断酒会では、どんな話も聞き合うだけで、批判や否定はしない。なかなか人に話せないでいた悩みを打ち明け、そのままを受け入れられる経験が、照子さんの心を、ほっとほぐした。照子さんは、断酒会への参加を決めた。
男性は照子さんと同じ歳で、やはり自身がお酒の問題を抱えていた。結婚、離婚を経験していて、大学生の娘と一緒に住んでいた。やさしく穏やかな人柄で、ひとり暮らしの照子さんを気遣って、時々車で送り迎えなどしてくれた。
とはいえ、そのころ照子さんはまだ既婚者だったから、一線を越えた付き合いではない。相談相手としての関係だった。
「子どもとの面会の回数が少なくなったり、元夫が離婚を求めてきたりしたときは、相談にのってくれました。面会交流調停の調書を書くのを手伝ってくれたこともあります。すごくよく書けていて、そのおかげで月2回・時間制限なしで子どもに会えるようになったんです」