コラム
オンナ万引きGメン日誌
“妊婦万引き犯”に下した冷酷な鉄槌! 女店長は「そんな幸せな環境にいるのに、あなたぜいたくよ」と言い放った
2021/07/24 16:00
こんにちは、保安員の澄江です。
「雨の日は、万引きが少ない」……同業者や警察の方であれば、きっとご理解いただける定説だと思いますが、今年の梅雨は少し違うようです。おそらくは、度重なる緊急事態宣言の延長に基づく経済状況の悪化によるものでしょう。初犯の方に声をかける機会が増えたことで、その季節感はなくなり、通年より忙しい日々を過ごしています。
事務所で話を聞いてみれば、仕事が途絶え、お金がなくなり仕方なかったのだと、どこか居直り気味の人が多いことも特徴といえるでしょう。
「もう、どうなってもいい」
そんな気持ちすら伝わってくる自暴自棄な態度も共通しており、まるで責める気になれません。つい先日も、生活苦を理由に弁当を盗んでしまった高齢の個人商店主から“ワクチンを打つ前に餓死してしまいそうだ”と嘆かれ、このような人達が身を寄せられる施設が必要だと痛感しました。確かに逮捕されてしまえば、寝食に困ることはありません。しかしながら結果として信用を失い、お金のない状況で罰金刑でも科されてしまえば、容易に立ち直ることはできないでしょう。
老若男女、人種国籍を問わず、食うに困って犯行に至るような人を捕まえた時には、ついつい同情してしまう自分がいます。そうした人を警察に引き渡すたび、声をかけたことが正しかったのか、自問自答してしまうのです。
そんな人が増えつつある現状ですが、今回はそうした人たちとは“違う理由”で犯行に至ってしまった女性の事案について、お話ししたいと思います。