カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2021年7月13日号

「婦人公論」の“ポジティブ論”は、結構暗い!? 東ちづるも池上季実子も……シニア世代の幅広い「幸せ」

2021/07/03 16:00
島本有紀子(ライター)

 最後に見ていくのは、心を和ませてくれる「“川柳”で笑い飛ばせ」のコーナー。ポジティブをテーマに募集した川柳の優秀作が紹介されています。

 「この時代 過ごしたことが 糧になる」(しらたまさん)といった標語型から、「変異株 成長の速さ 見習いたい」(しゃちほこさん)、「『効いてきた』 接種後の腕 見せる父」(ともこ1967さん)といった時事ネタ型、「体重が 増えて念願 Dカップ」(かえるやぎさん)などのシニアあるある型まで、名作が生まれています。

 今号は、特集以外の企画も、いじめ関連(林真理子×斉藤慎二『いじめを受けた私たちが伝えたいこと』)、コロナワクチン関連(夏川草介×坂本史衣『ワクチン接種が、“出口”への切符になる』)、照ノ富士関連(佐藤祥子『照ノ富士よ、さあ綱取りだ。大相撲七月場所は見どころ満載』)など、なんとなく茶化してはならぬ雰囲気の記事が多かった印象。この川柳コーナーや、鈴木保奈美の連載エッセイといったリラックスして読めるページはオアシスでした。

 ちなみに今回の保奈美エッセイは、「小学二年生まで住んでいた街」にあったというおもちゃ屋さんについて、ノスタルジーに浸りきって描いています。五・七・五にも負けないくらいにブレない、トレンディーなホナミ節。閉塞感ある今だからこそ求められているのかもしれないと気づけました。

島本有紀子(ライター)

女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。

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最終更新:2021/07/03 16:00
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