コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

2万坪の豪邸から、新居は飯田橋の2部屋アパート! “主婦”になったプリンセスの結婚・離婚・再婚のお相手男性

2021/07/10 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――坂道好きで有名なタモリが読んだら、すごく喜びそうな本ですね(笑)。

堀江 その後、通子さんはとある専門図書の輸入会社に転職するのですが、ここで6歳年下の酒井省吾さんという後輩男性に仕事を教えるうち、彼から慕われるようになります。

――あらら、新しい恋の予感!

堀江 そうなんですよね。ただ、酒井さんは学習院大の学生だった永岡さんにくらべ、本当に庶民的な男性だったようです。愛知県岡崎出身で、お父さんは牛乳販売店を営んでいる方だそうです。上智大学の哲学科出身ですが、入るのに3年浪人……。バイトしながらだったので、勉強時間が取れなかったのかもしれません。

 大学在学中もバイト三昧で、実家からは「月1万円だけ」の仕送りだったとか。ちなみにこれらはすべて通子さんが、河原敏明さんという皇室ジャーナリスト第一号のインタビューに語っていることです。

――昭和30年代ですよね。その頃の1万円ってどれくらいの価値があったのでしょうか?

堀江 僕も気になって調べたのですが、現代の貨幣価値で15万円は超えていると思います。昭和30年代のヒットソングに「13800円」というものがあり、これは後にムード歌謡の帝王といわれたフランク永井さんの最初のヒットソングらしいのですけど、当時の大卒男性の初任給の平均額なんだそうです。

 ……となると、当時の1万円はかなりの大金ということですね。牛乳販売店経営のお父さん、仕送りをよく頑張られたのだなぁと思います。

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