「PTAには入りません」って言えない!? パトロール中、我が子は「学童」「留守番」の本末転倒
この春、我が子が小学校に入学! と同時に、うわさでいろいろ見聞きしていた「PTA」が、ついに現実のものに。「PTAは任意なんでしょ? 加入しなければいいのに」と思っていたけど、子どもの学校は「加入率100%」……!? 早くも謎ルールに面食らった母が、PTA活動の不可解な仕組みや事件をつづる「PTAには入りません、って言えない!?」。
▼前回まで▼
我が子が入学した小学校のPTAは、現時点では実質、強制加入。「校外委員会」では、毎月交代で、平日夕方に地域を回る「パトロール」を行うという。そしていよいよ、初めてのパトロールをやる日が訪れた………。
パトロール中、我が子は「学童」「留守番」の本末転倒
校外委員としてパトロールを行う日がやってきた。パトロール中に着用することになっている蛍光ベストをバッグに入れ、一緒に回る委員・Aさんと待ち合わせ。パトロールは30分ほどの予定で、LINEで連絡を取った際に、「家の近所を見て回ればいいですよね」と、昨年の報告書を参考に、大体のルートを決めていた。
ちなみにパトロールをしている時間帯、Aさんのお子さんは家で留守番、私の子どもは学童にいる。我が家は日頃から学童を利用しているから構わないが、もし、留守番が不安だからパトロール中だけ学童を利用ということになれば、ここでも手間暇や出費が発生するだろう。留守番中に不慮の事故が起こるリスクもゼロではなく、そう考えると、小学生の子を持つ親が夕方にパトロールをするという発想自体、ズレているというか、本末転倒な気がする。
Aさんと合流した時点で蛍光ベストを着用し、いざパトロールへ! 見る人が見れば、小学校のPTA委員がパトロールをしているとわかるだろうから、パトロール中はなるべく真面目に立ち振る舞ったほうが無難かもしれない。
が、子どもの姿は、ほとんどない。17時台で外は明るく、過ごしやすい気候だが、比較的通行量の多い道路でも、自転車やキックボードに乗った子を2人見かける程度。Aさんとも「子どもいないですねぇ」と話す。
神社や用水付近にも子どもはおらず、不審な人物も見当たらない。終盤に回った小さな公園でようやく、小学生の子が3人ほど遊具に興じていたが、外はまだ明るく、危険な行動をしているわけでもなかったので、Aさんと声をかける必要はないだろうと判断。というのも、パトロールでの子どもへの「声かけ」については、役員や前年度委員によって説明が微妙に食い違っており、遊んでいる子どもがいたら「早めに帰るんだよ」「気をつけてね」などと帰宅を促してほしいという人もいれば、危険な状況でない限りはそこまでしなくていいという人もいて、結構曖昧。なので、実際にパトロールを行う委員の裁量に任されているようだ。
20分足らずでパトロールは終了。ファミリー世帯が多く住む地域とはいえ、放課後になると子どもがそこら中にいるっていうわけではないようだ。帰宅後は、メールでパトロール報告。報告内容も簡素でよく、すぐに終わった。
無論、たった1回のパトロールで学区内全域を回れるはずもなく、大勢の子どもが集まる場所もあるだろう。子どもを狙う不審者がいないとも限らないし、あるいは、貧困や虐待などで「困っている子ども」と遭遇することがないとも限らない。そう考えると、意義がないと言い切ることもできない。しかし、強制加入のPTAで「やらされる」パトロールとなると、委員のモチベーションなど、たかが知れているような……。