『ザ・ノンフィクション』子どもを捨てた母、捨てられた娘20年ぶりの再会「酒と涙と女たちの歌 ~塙山キャバレー物語~ 後編」
日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。6月6日の放送は「酒と涙と女たちの歌 ~塙山キャバレー物語~ 後編」。
あらすじ(1)~美佐子ママと子どもたちの再会
茨城県北部、日立製作所の企業城下町でもある日立市。商業施設が並ぶ国道沿いに、昭和で時が止まったかのような、簡素な青いトタン張り平屋建てのスナック、居酒屋が並ぶ一画「塙山(はなやま)キャバレー」がある。60年ほど前に誕生してから、現在は13軒が営業中だ。
「ラブ」の美佐子ママは、さばけた雰囲気だが、自分のことをあまり語りたがらない。そんな美佐子ママのもとに、2020年の暮れに、実の娘、夏海が訪ねてくる。美佐子ママはかつて農家に嫁ぎ、3人の子どもに恵まれたが、実家の借金を背負うことで義実家との関係が悪化、当時10歳の夏海ら3人の子どもたちを置いて、家を出ていったという。夏海自身が母親になり、母に会いたい思いで探し当て20年ぶりの再会となった。
夏海の話によると、美佐子ママの舅姑はかなり厳しい人だったようだ。美佐子ママには出ていったとき別の男がおり、借金問題だけでなく、さまざまな事情があったようだ。親子の対面は、最初は和やかな様子だったものの、出ていった真相を知りたい娘、言いたがらない母との間で、徐々に雲行きは怪しくなり、ついに夏海が声を荒げていく。
その後、母娘だけで対話が行われたようだが、番組スタッフに夏海から「今日あたしから母を捨てました、もう関わりたくありません。」と連絡が入る。しかし、夏海は2人の弟を連れてラブを再訪する。父親から、母を許してやってくれと言われたのがきっかけだったようだ。
気性が激しそうな夏海と異なり、弟2人は穏やかそうな性格だった。しかし、美佐子ママが話す家族旅行のエピソードを弟たちは覚えていないなど、母親の記憶はかなり薄いようだ。
弟らは美佐子ママが出ていったのち、父親、夏海からの暴力が笑えないくらいきつかった、と壮絶な家庭の様子を振り返る。そして「親父もなっちゃん(夏海)も抜けるところがなかったんだよ、寂しい気持ちを」と話していた。
あらすじ(2)~草むしりを続けるのぼる~
かつて塙山キャバレーに店を出していた人も客として訪れる。のぼるは、かつてラーメン店をキャバレーの一角に出していたが、店の漏電が原因で、5軒が全焼する火事を出してしまう。それにより、塙山キャバレーはかつてあった敷地中央の「島」部分がいまもぽっかりと空いた状態だ。
のぼるは現在、生活保護を受けており、塙山キャバレーで1杯のビールをゆっくりと飲むのを楽しみにしている。火事の負い目もあるのか引きこもり、自殺も考えたというが1杯のビールを糧に、「何もやってねえよりはやることがあったほうがまだいい。やることがなかったら気が狂うべ」と近所の草むしりを続けている。
一方、たとえそれが1杯のビールであっても、生活保護をもらいながら酒を飲んでいるのぼるをよく思わない客もいる。その客自身が、のぼるではない別の生活保護受給者に「生活保護なんて簡単に受けられた、バカらしくて仕事なんてやってられない」と言われたのが原因で、のぼるがどうだ、ということではなかったようだ。めぐみママやほかの客が、「働きたいけど働けない人もいる」とのぼるをフォローし、店の前の植木の手入れをのぼるにビール1杯でお願いする。
新型コロナウイルスの拡大防止のため、茨城県が独自に発令した緊急事態宣言の対応で店も苦しい営業を強いられるも、それでも31歳の元大手チェーン居酒屋勤務の女性が塙山キャバレーの空き店舗を新規に契約する。新しい若いママの誕生に、塙山のベテランママたちも顔をほころばせていた。
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