熊田曜子の発言だけで、夫を“悪者”と決めるのは不公平? 「夫婦はどっちもどっち」だから“悪口”は難しいと思うワケ
しかし、離婚の場合は少し話が違ってくる。タレントたちは夫婦関係を解消する際、「相手が悪く、自分にまったく非がない」と言いたいのが本音ではないだろうか。特に女性タレントの場合、ひと昔前なら、離婚するとオファーが減ることもあったが、今は「離婚しても健気に頑張るシングルマザー」といったイメージがつけば、それを仕事に生かすこともできる。なので、夫婦間がうまくいかなくなると「夫のひどい仕打ち」を匂わせるタレントは多い。
熊田曜子も、その一人だろう。『ノンストップ!』(フジテレビ系)に出演した際、干渉してくる義母の存在や、夫が手の込んだ料理を作っても食べないことを明かしていた(夫は手の込んだ料理よりも、刺身やサラダなど「切っただけ」の料理を望んでいるそうだ)。ネット上では「面倒くさい姑」「モラハラ夫」といった意見も見られたが、熊田の発言だけを聞いて判断するのは、いかがなものかと思う。
断っておくが、「妻は義母や夫の言うことに従うべき」と言いたいのではない。熊田の義母や夫にもそれぞれ言い分はあるはずだし、熊田が明かしたエピソードの前後に何があったかもわからない。一般人である義母や夫は、熊田ほどメディアでの発言権が強くないことを考えると、彼らを一方的に“悪者”だと決めつけてしまうのは、アンフェアではないかと思うのだ。
熊田といえば、雨が降っていた休日に3人のお子さんを連れて出かけた都内某所の児童館で、「大人1人に子ども2人まで」というルールのために入室を断られたとオフィシャルブログに書いて炎上したことがある。児童館の場所を正確に書いていること、また、雨が降っていることを書き添えるあたり、ちょっと“責めグセ”があるのではないか。発信力のある熊田が児童館の場所を明記すれば、そこにクレームをいれる人もいるだろうし、「雨が降っていた」という言葉には、「雨で大変な中、わざわざ出かけたもかかわらず」というニュアンスがにじんでいるような気がする。
熊田の失望もわかるが、児童館の職員はルールに基づいた仕事をしたまでで、この対応が「悪い」とは言えないだろう。もちろん、子どもを連れて行った熊田もまったく悪くない。自分と相手がいることだと、「自分(相手)が正しい、相手(自分)が悪い」と、つい白黒つけたくなることは多いが、実際は「自分も正しい(間違っている)、相手も正しい(間違っている)」というケースは多くあり、それは夫婦関係において最も生じるのではないかと思うのだ。