「PTAのパトロールって、これでいいの?」って言えない!? 市外局番ナシの連絡先、サボりOKの見回り活動の意味
では、校外委員全員参加の「パトロール」とは、一体どんなことをするのだろうか? パトロールは、夕方に行うものと地域のお祭りで行うものがあるが、コロナで夏祭りはすでに中止が決定している。
夕方のパトロールは、月1~2回、蛍光ベストを着用した委員2~3人が平日の夕方に30分ほど、子どもが集まりそうな場所を見て回り、遊んでいる子どもに気をつけて帰るよう声をかけ、もし不審者がいれば警察に連絡するなどの対応を取るという。パトロール後は、代表者がメールで報告。以前は紙で報告していて、メールでOKになったのはごく最近だという。
パトロールを実施する週は、係ごとに指定されているが、都合がつかなければ土日の夕方でもいいし、子連れでもいいし、天候や体調が悪い時はやらなくてもいい。なるべく地域を満遍なく回るのが理想だが、大変なら、近所で済ませてもいいという。
ただし本部としては「私は何回やったのにあの人は……」ということにならないよう、できない理由があれば連絡してほしく、「無断で休むことだけはしないように」とのこと。安全上2人以上で回ることになっており、一緒に回る相手の都合が悪くなった場合などは、役員が一緒に回ることもできるという。こうした厳密なルールが共有される一方で、下校指導係のリーダーは、「まあ場合によっては、行っちゃったことにして報告しちゃってもいいし」とこっそり話す。
しかしながら、蛍光ベストを着用しただけの一般市民のパトロールにどれだけの効果があるのだろうか。テレワークの人もいるとはいえ、子育て中でもある校外委員が毎月わざわざ予定を空けて、やるようなこと? 昨年はコロナ禍でPTA始動が遅く、パトロールの開始も大幅に遅れたというが、それで地域の治安が悪くなったという実感はない。
それに、「行ったことにして報告」する人もいるならば、それこそ意味はどこにあるのだろうか。あるいは、パトロールを行えば、その必要性が見えてくるのか? 実際にパトロールを行い、確かめてみるしかない。