田中みな実は、なぜ「怒られたくない」のか? 完璧な自分のウラにある「異様に怖がる」気持ちを読み解く
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「私を怒らないでください」田中みな実
『グータンヌーボ2』(5月25日、関西テレビ系)
若い世代の女性と話していると、「自分は職場で嫌われている」「自分は仕事ができない」と感じている人が多いことに気づく。なぜそのように思うのかと聞くと、「怒られたから」と彼女たちは言う。
仕事でミスなり不手際があって、先輩に「間違っていたよ」とか「直しておいてね」と指摘される。それが彼女たちにとっては「叱責」や「否定」に感じるということだろう。それでは、「叱責と指摘の境目は何?」と聞くと、彼女たちは口ごもってしまう。
誰だって怒られるのは嫌に決まっている。しかし、仕事をしている以上、ミスは避けられず、そうなると先輩や上司はそれを注意しないわけにはいかない。仕事のミスにかこつけて、人格否定をしてくる人もいるので注意は必要だが、いちいち「怒られた」「嫌われる」と思っているのだとしたら、生きにくくないだろうか。
しかし、当たり前のことだが、若い世代の全員が「怒られた」と落ち込むわけではない。「怒られた」と落ち込む人と「これは指摘だ」と自分を正せる人の境目はどこか? その答えをくれるサンプルのような人を見つけた。フリーアナウンサー・田中みな実である。
5月25日放送の『グータンヌーボ2』(関西テレビ系)に出演した田中は、「人生で一番怒られたときは?」というトークテーマに対し、「怒られると不本意な気持ちになる」「私を怒らないでくださいと書きたい」「異性にも怒られたくないし、ちょっと指摘されたりすると『えっ』ってなっちゃう」とし、その理由について「(子どもの頃から)怒られてこなかった」と話している。
今は「怒らない育児」や「ほめて育てるという考え方」が浸透しているので、「怒られたことがないから、怒られることが必要以上に怖い」という自己分析は正しいと思う。さらに田中の場合、TBSの女子アナとして明石家さんまら大物芸能人にかわいがられてきた“実績”がある。芸能人や周囲にチヤホヤされている分、彼女に非があったとしても、それを指摘して面倒なことになるのを避け、言葉を飲み込んでしまう先輩や上司もいたかもしれない。
けれど、「怒られる」ことを恐れる原因が「怒られ慣れていない」ことだけかというと、そうとも思わない。というのも、この番組で、彼女の「怒り」に対する不公平さがよく見えたからだ。