1,000円以下で買える、あの有名寿司店の味! 江戸前の【赤酢】簡単レシピ4選をプロが伝授!
――日本各地のご当地で愛され続ける、家庭料理の味。北海道から沖縄までそれぞれの地域でロングセラーを誇るローカルな商品を、調味料ソムリエ/野菜ソムリエ・MICHIKOさんが紹介していきます。
東京のソウルフード:赤酢
今回は江戸から現代へ、東京のソウルフード「赤酢」です。
お寿司と言えば、握りずし! 江戸時代の握りずしは屋台、言わばファーストフードのひとつです。今とは逆スタイルで、食べる人が立ち、握る人が座っていました。寿司飯の大きさは今の2倍、ちょっとしたおにぎりですね。江戸前寿司で使われた酢は「酒粕酢=赤酢」といいます。赤みを帯びており、じんわりとした甘味とうま味が強く、穀物酢特有のツンとくる刺激や香りはほとんど感じられません。
横井醸造工業(株)の「赤酢」は、江戸(東京)木場の地で酢作り80余年、東京都内で唯一「蔵」を持つメーカーであり、東京都地域特産品認証食品です。有名レストランガイドの星を獲った寿司屋30件近くの内、22件が昔からこの赤酢を使っています(東京2021年版)。酢ではなくソース感覚で使っているフレンチ店もあるそうです。
赤酢は、酒粕のみを長時間じっくりと木樽の中で貯蔵熟成させます。酒粕に含まれる糖分とアミノ酸によって褐色に変わり、奈良漬や紹興酒のような香りに変化。5~6年もの長い年月をかけて発酵熟成させたものが赤酢です。その昔、横井醸造工業は材木業を営んでいたとのこと、木樽は自前だそうですよ。
【赤酢】ポイントレシピ:砂糖いらずで味がキマる!
いつもの酢を赤酢に変えるだけで、酢が苦手な人でも、その違いがよくわかります。まろやかなコクとほのかな酸味、特に自然な甘みがあるので、砂糖いらず、でもおいしい! と注目の的です。
ちらし寿司
1)炊きたてご飯1合に、赤酢 大さじ1.5 塩 小さじ1╱2を混ぜたものを加えて混ぜ、冷まします
2)お好みの具材をちらします
浅漬け
1)きゅうりやナガイモなどのお好みの野菜(250g)をざく切りに
2)赤酢 大さじ1と市販の白だし 大さじ1╱2を混ぜて1時間ほどおきます
揚げびたし
1)ナスやレンコンなどの揚げびたしは、赤酢 大さじ1と醤油 小さじ1を混ぜた中に加えて和えます
焼きそばやラーメン、中華スープ、炒め物などにアクセントとしてそのまま使うのもおススメです。赤酢は隠し味として加えることで、おいしさをアップしてくれます。疲労回復・食欲増進・便秘・減塩など多くの健康効果が認められているので、毎日の生活に少しずつ取り入れていきたいものですね。これ1本あれば、あなたも料理上手に♪
【赤酢】アレンジレシピ:タコとキウイの彩りブルスケッタ
タコの旨味、キウイとトマトの甘酸っぱさが、赤酢と好相性♪ カリッと香ばしく焼いたパンに、赤酢とオリーブオイルで味付けしたオープンサンド♪
【材 料】(2人分)
・ゆでダコ 50g
・キウイ 1コ
・ミニトマト 6コ、
A)ニンニク(チューブ) 小さじ1╱2、赤酢・オリーブ油 各大さじ1
・バケット 8cm
【作り方】
1)バケットは6枚に切り、トーストする。
2)ゆでダコと皮をむいたキウイ、ミニトマトは、7mm角切りにする。
3)ボウルに、2とAを入れて、混ぜ合わせる。
4)1に3をのせていただく。
*お好みで、黒こしょうや一味唐辛子などをトッピングしても。