レディー・ガガ、レイプにより妊娠した衝撃の過去告白……「私の涙は乾き、前に進んだ」と気丈に振る舞う
動画配信サービス「Apple TV+」で5月21日に配信開始された、メンタルヘルスをテーマにしたドキュメンタリー番組『あなたに見えない、私のこと』に、歌手レディー・ガガ(35)が出演。19歳の時に、音楽プロデューサーにレイプされて妊娠したという、衝撃的な事実を告白した。
ガガは過去にもレイプ被害者だと度々明かしてきた。2014年に出演したラジオ番組では、相手を「20歳年上の音楽プロデューサー」と言及。レイプ被害者の混乱や怒り、悲しみを描いた「Swine」という曲は、この体験をもとにしたという。
今回『あなたに見えない、私のこと』に、本名のステファニーという名前で番組に登場した彼女は、涙を流しながら当時を回想。「(音楽)業界で働いていた19歳の頃、プロデューサーに『服を脱げ』と言われたの。『ノー』と断り、その場を去ったわ。でも『従わなければ、おまえの音楽はすべて燃やす』としつこく言われ続けて…… 私は凍りついたように固まってしまって」と声を詰まらせ、「よく、覚えてないのよ」と涙を拭いた。
そして、「誰なのか、名前は言わない」「(セクハラ告発運動の)#MeTooがいかに大事なことが理解しているし、加害者を告発できる人がいることも知っている。でも、私はそういう精神状態にはなれないの」「彼の顔を二度と見たくないから」と、一瞬おびえたような表情を見せた。
ガガは過去のインタビューでも、「一度、ある店で(加害者を)見かけたことがあるたけど、恐怖で体が動かなくなった」と明かしており、絶対に会いたくない人間だと強い口調で語っている。
ガガはレイプのトラウマで心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむようになったといい、17年に公表した線維筋痛症の発症もPTSDによるものだと示唆していた。
今回のインタビューで、ガガは精神科医の治療を受けた時に、「自分を苦しめていた(線維筋痛症の)激痛が、“私をレイプし妊娠させた人間に置き去りにされた時に感じていた痛みと同じもの”と気がついた」と、妊娠したことを初めて告白。「嘔吐し続け、とても具合が悪かったから、実家に送り返されたの。何カ月もスタジオに閉じ込められて、虐待され続けていたから」と涙を拭った。
ガガは、「みんなに知ってほしい。私の涙は乾き、前に進んだのだということを」と気丈に振る舞いつつも、主演映画『アリー/スター誕生』((18)でアカデミー歌曲賞を獲得した裏では、PTSDに苦しめられ、自傷・自殺願望をもっていたという。一見順調にキャリアを重ねていたように見えるが、実はひとりでもがいていたのだと悲しそうに語った。
メンタルヘルスの病気は一進一退で、出口の見えない状況に失望する時もあるが、ガガは「そういうものなのよ」と同じ状況に苦しんでいる人に呼び掛けた。いまでは食事もきちんと摂り、PTSDはかなり改善したとアピールしていたが、表情が陰ることが多く、まだ苦しんでいるように見えた。
番組では、妊娠についてはそれ以上語らなかった。しかし、19年にアラバマ州が中絶禁止法を可決した時、Twitterで「レイプ被害者や、同意の有無にもかかわらず近親相姦で妊娠した人たちのことを考慮しないのは極めて悪質」と強い口調で非難していたことを思い出し、同情を寄せるファンは多い。
これまで、いじめ撲滅、性的マイノリティや貧困層などに対するあらゆる支援を行ってきたガガだけに、彼女が少しでも心の平穏を取り戻せる日が来ることを、多くの人が願っている。