カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2020年5月25日号
鈴木保奈美、女優なのに「PASMOで電車に乗った私」をアピール! 「婦人公論」連載でダダ漏れになった自意識
2021/05/21 16:14
読者の超力作手記を読んだあと、ほっと一息つける(気が抜けるとも言える)のが鈴木保奈美の連載エッセイ「獅子座、A型、丙午。」です。
80年代を引きずったホナミ文体による、THEトレンディー・エッセイ。今回は“女優なのにPASMOを使って電車で現場入りしちゃったホナミ”という自意識を直球アピールする、ほほ笑ましい内容となっています。
それは「新調したバーミキュラのフライパンで自分史上最高のベーコンエッグができた朝」のできごと。マネジャーから、“高速が大渋滞しているから電車で現場入りするように”と連絡を受けたホナミさん。
「え? 一人で電車? と思われたあなた、あのね、アンジェリーナ・ジョリーじゃないんだから、女優だって電車乗るわよ」
「PASMOも持ってるって」
「撮影現場についたら、『ホナミさん電車で来たの!?』とみんなに言われた。だからさ、ジェニファー・ロペスじゃないんだから」
「PASMOをピローン、って乗ってきたのよ」
非日常のワクワクどきどき感がダダ漏れです。
読者の人生全てを注ぎ込んだかのような手記を読んだあとでは、“電車に乗った”というだけでエッセイを一本書けてしまうホナミさんの特殊さが染み入ります。
ちなみにPASMOは「ピローン」とは鳴りません。「ピピッ」です。次に電車に乗るときには(いつになるのかわかりませんが)ぜひ耳を澄ましてみてください、とホナミさんに伝えたいです。
最終更新:2021/05/21 16:14