コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇室に起こった“婚約破棄”騒動、信じられない「ムチャな理由」! 宮様のワガママで大波乱

2021/05/01 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――どちらも頑固ですねぇ……。

堀江 とくに解せないのは宮家の態度なのです。息子のワガママを、久邇宮朝融王の父宮である邦彦王が諭すところか、熱心に擁護しちゃうのですね~。

 この邦彦王という方も、細川家の令嬢・悦子さんという女性を結婚寸前に振ッて、島津家の令嬢・俔子(ちかこ)さんという方に「乗り換え」しちゃったという逸話があるわけです。

――すごい話がポンポンと出てきますが、親子二代でお騒がせ皇族ですか。お父様のときは、問題にならなかったのですか?

堀江 島津俔子さんと、邦彦王のご結婚は1899年(明治32年)のこと。細川悦子さんとモメたのはその前。時代がより古かったこともあるし、このケースでは、天皇によるおゆるしを得ていない段階での破談だったことが幸いしたようです。問題は表沙汰にはならず、久邇宮家で内々に語り継がれるだけの話になっていたようですね。

 ところが、大正時代の酒井伯爵は、朝融王に予定通り結婚することを求めつづけました。酒井家の“旧主”である徳川家も間に立ち、宮中関係者も必死の仲介を続けますが、両者の主張は平行線のままでした。

――解決の糸口がまったく見えませんが、次回(5月15日)に続きます!

堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『眠れなくなるほど怖い世界史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。

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最終更新:2021/05/01 17:00
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